アンチエイジングを考察する(Ⅳ)
アンチエイジング医学の実践
アンチエイジング医学においては、これまでの医学とは異なって、個々の病気や臓器単位の病的変化を回復させるためにそれぞれ個別の治療手段を講じるのみでなく、縦割りの隔壁を取り除き、個々人を身体と精神の織りなす一体のものとして全体論的(ホリスティック)に対策を考えていくことが重要となります。
アンチエイジング医学の研究は遺伝子や細胞レベルから、動物やヒトの個体レベルまで幅広く、生化学、生理学、臨床医学などの医学系にとどまらず、化学、物理学、農学、薬学など広範囲にわたっています。
一方で、これらの研究を利用したアンチエイジング医学の実践は、栄養学、内分泌学を用いた補充療法と運動や休養などの生活習慣の改善によって可能となります。
アンチエイジング医学を考えるには、まずエイジングのメカニズムを理解しなければなりません。エイジングは生物学的なプロセスでありますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。遺伝子に異変がおきる、細胞機能が低下する、フリーラジカルによって体が酸化する、免疫力が低下する、ホルモンレベルが低下する・・などエイジングの原因とされる基礎研究が各分野で進んでいます。この各分野の最新のアップデートについて学び、その対処としてアンチエイジング医学を進めていくことが必須であると考えます。
参考資料
厚生労働省公表・・2021年9月1日時点の住民基本台帳に基づく。
100歳以上の高齢者・・8万6510人(前年6060人増加)
51年連続増加・世界有数の長寿国
100歳以上の男女比率・・女性88.4%を占める
最高齢女性・・福岡市在住・田中カ子(かね)さん 118歳(世界最高齢者ギネス認定)
最高齢男性・・奈良市在住・上田乾蔵さん 111歳
人口10万人当たり100歳以上人口
・多い県 ①島根県:134.75 ②高知県:126.29 ③鹿児島県:118.74
・少ない県 ①埼玉県:42.40 ②愛知県:44.42 ③千葉県:49.12
(厚生労働省データにより編集)
(続く)