アンチエイジングを考察する(Ⅰ)
アンチエイジング医学の定義
・抗加齢医学(アンチエイジング医学)の定義は〝元気で長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学〟です。
元気を享受するということは、単に寿命を延長し高齢生存者のカーブの右肩上がりを目的にしていることではないことを意味している。長寿の質が重要なのです。
・人間としての寿命の質を問題にしています。
また元気でというのは、たとえ何かの病気を持っていても、元気で長寿を享受できる状態を意味している。このためには、たとえ齢をとることによって何らかの病的状態が出現していても、肉体的にも精神的にも、個人として全体的に〝元気でありバランスのとれた状態に保たれている〟ことが重要と考えます。
超高齢化社会を迎える我が国において、後期高齢者衣料制度の創設に見られるように、現在高齢者の健康保持が国家的な課題となっており、個人の幸福という観点からばかりではなく、アンチエイジング医学は社会の経済効率を考える面でも重要となっています。
従来日本の健康政策は病気になったら国民皆保険がこれを守りますという〝疾病治療型〟の医学であった。ところが病気になってから治していたのでは費用がかかりすぎ、健康保険は破綻することが確実となってきました。
そこで現在の予防医学へ大きく医療の舵が切られようとしています。
アンチエイジング医学は〝加齢〟に集点をあてた究極の予防医学といえます。
予防医学を考えるときにメタボリックシンドローム撲滅のためにあげている、適度な運動、適切な食事、禁煙、サプリメントなどは正にアンチエイジング医学の流れに沿ったものであり、単に疾患予防というレベルを超えて、更に健康レベルを上げていくことがアンチエイジング医学的アプローチと言えるのです。
疾患は発症する前に病気を予防しようという動きは更に活発になると思われるが、〝加齢〟をターゲットとしたアンチエイジング医学は、これからさらに重要なアプローチになると思われます。
元気で長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学
元 気・・・たとえ病気を持っていてもいい。
人生の目標と生きがいが元気の源。
精神的にも前向きで希望をもって暮らしていること。
長 寿・・・長く元気で心楽しく暮らすことを長寿という。
高齢者ほど心の健康が重要になる。
長寿と喜べる環境づくり(国と人)が重要である。
実践的科学・・アンチエイジングは単なる化学ではない。
最終目標は実践である。
アンチエイジング医学はそれを支える科学である。