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転居や転勤に伴う歯科矯正治療の離脱と転院

北條智之

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テーマ:矯正歯科

歯科矯正治療は、通常1年以上の治療期間を要します。治療のストレス軽減や成果の担保を期待するのであれば1医院で完結するのが望ましいです。また、矯正治療には重要なステップが存在しますので最低でも1年間は継続して矯正歯科医院に通院できる環境が必要です。しかし、現実には治療の途中での転院(歯科医院の変更)を余儀なくされる患者さんもおります。
歯科矯正治療の盛んな米国の調査によれば、年間500万人が矯正治療を受けているとされております。米国では全人口の10.1%にあたる約3200万人が12カ月以内に引っ越しを経験しています。このことからも、矯正治療患者さんの10%程度は転居に伴う転院をしている可能性があります。当院の採用している矯正システムは、こういった背景もある米国で広く使用されている矯正システムです。転院の際は、矯正システムの転院時のフローに沿ってご対応いたします。

矯正治療をスタートしてから、引っ越しによる転院は患者さんにとってストレスの多いことです。当院は、県内でも転出・転入者の多い自治体に所在しております。ここでは、転院がどのようなときに起こるのか、そして矯正歯科医院を変える必要がある場合の選択肢についてご説明します。

当院における患者さんが矯正治療の途中で転院する最大の理由は、ご家族やご自身が引っ越しをしなければならなかったときです。引っ越しの時期が明確に定まっていれば、それに向けてある程度の準備や治療計画を立案することは可能です。ただし、状況によっては患者さんの任意の時期に転院できず、完全には制御できない場合もございます。当院においては、転院時の条件として

「症状・病態が安定している」、「重要な治療ステップを終了している」

ことと定めています。引っ越しが予測されるときはできるだけ早めにご相談していただくことが大切です。

当院における転院のプロセス


1.転院の決断をする
決断を下すのは最も難しい部分です。転院した方がメリットが大きいのか、デメリットは何か、転院の時期は望み通りに叶うのかなど検討すべきことが多いからです。まずは、早めのご相談が肝心です。プライベートな内容にかかわることでもありますが、可能な限り転院しなければならない状況についてはオープンにお伝えいただけるとその後の手続きが容易に進んでいきます。

2.紹介状を必要とするのか、ご自身で転院先を探すのか
転院となれば、どの内容をどの程度新しい矯正歯科医の先生に引きつぐのかを決めねばなりません。当院では、ブラケットシステムであれば、インシグニア、マウスピース型矯正装置であればクリアコレクトを主に採用しています。どちらのシステムも患者データがクラウド上で管理されています。紹介状を作成し、当院で転院先の矯正歯科医院をご紹介する際はインシグニアまたはクリアコレクト導入・加盟歯科医院間を優先して行います。なお、紹介状作成には別途費用が発生します。

当院導入の矯正システムを採用している歯科医院が、引っ越し先の地域から遠いなど通院が難しいと患者さんが判断された場合にはご自身で通いやすい歯科医院を探していただくことも可能です。その際には、紹介状を作成せずご自身の責任の下で状況をお伝えいただくこともできます。

3.転院時の治療費の取り扱いについて
歯科矯正治療を新しく転院先でも受けるとき、当院でお支払いいただいた治療費についても清算または確認する必要があります。当院では患者都合で転院される場合、いかなる理由であっても実際に行われた治療行為・用意(準備)した矯正器具・材料に関してはお返しいたしません。矯正治療が途中であり、治療が完了していなかったとしても同様です。これを「役務の発生した治療行為」と呼びます。初診料(検査費用)、再診料、処置料、用意された患者さん固有の矯正装置の材料費用、メインテナンス費用などすでに過去に行われたり発生した治療行為・矯正装置すべてについてご返金いたしません。

4.転院後の治療費の取り扱いについて
転院先の新しい矯正歯科医院では、すべての患者さんは転院先の矯正歯科医院の初診という取り扱いになるのが一般的です。これまでの治療の進捗状況や当院での初診時の資料、治療経過の詳細などを紹介状として転院先の矯正歯科医院にお伝えしても、新しい矯正歯科医により新たに治療計画が起案・提示され、全く新しい歯科矯正治療の契約が結ばれます。費用も転院先の矯正歯科医院のルールに従い発生します。当院は転院先の歯科医院で提示・発生しうる治療計画・治療費用については一切介入することができません。この際、現在の矯正装置がすべて取り除かれ、別の新しい矯正装置を装着する可能性も否定できません。

最後に


歯科矯正治療を受けられ、治療の途中で引っ越しを余儀なくされるストレスは大きく、転院にまつわる手続きも苦労の多い作業になります。早め早めの準備がそのストレスを和らげてくれるでしょう。また、矯正歯科医院を選択する際にも、使用する矯正システムについても担当矯正歯科医に聞いてみてください。当院では問診票に「転居・転勤時期の見込み(予定)」を記載する欄がございますので、忘れずに記入していただき口頭でもお伝えいただけたら幸いです。

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北條智之
専門家

北條智之(歯科医師)

北上インプラントデンタルオフィス

インプラント歯科学の権威、ウルリッヒ・ヨース博士の治療法を専門的に学んだ知識と3DCTなど先進設備で、グローバル・スタンダードな治療を心掛けています。

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