就活とオワハラ
労働基準法では、賃金は現金払いが原則ですが、現在、労働者が同意した場合、銀行口座などへの振り込みで支払うことができます。
昨年、昨今のキャッシュレス化への対応として、労働者が同意した場合に限り、厚生労働大臣が指定した資金移動業者(●●Payなど)の口座への支払いが認められるようになり、参入の申請があった事業者の審査を経て、賃金のデジタル払いを行う初めての事業者として、8月9日に厚生労働省は「PayPay」を指定しました。
これで、給与のデジタル払いを希望する会社は、従業員のPayPayアプリのアカウントを通じて、賃金を支払うことができます。
他にも、「auPAY」や「楽天PAY」がすでに申請しており、「d払い」や「メルペイ」も申請に向けた準備をしているそうです。
このデジタル払いですが、今のところ企業側にはそれほどのメリットはありません。口座の上限は100万円以下に設定されているため、それを超えると、銀行口座に振り込まなければいけなくなり、手数料の負担を労働者側に求めなければ、2重に手数料がかかることになります。また、デジタル払いにするためには、労働者の同意を得て、「労使協定」を締結し、就業規則等を改正する必要があります。
ただ、アルバイトやパート社員などの短時間労働者に、即日払いや毎週払いといった短いサイクルでの給与の支払いができるため、労働者はすぐに賃金を受け取ることができるようになります。また、忙しい人にとっては、銀行やATMにお金を引き出しに行く手間が省けるといったメリットがあります。
そういった労働者側のメリットをアピールして、求人につなげたり、従業員の満足度を高めるといったことに、デジタル払いを利用することができます。
このようなメリット、デメリットがありますが、今後、キャッシュレス化が今よりも進めば、デジタル払いが可能になる会社も増えていくでしょう。