就活とオワハラ
厚生労働省は、「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」で、現在、常時雇用労働者が301人以上の企業に義務付けられている男女間賃金差異の公表義務を、101人以上の企業に拡大するとした報告書を明らかにしました。
今年の3月に出された「令和5年賃金構想基本統計調査の概況」を見ると、男女間の賃金差異は、男性を100とすると、女性が74.8となっており、まだ25%ほどの差があることが分かります。13年前の2010年では女性が69.3でしたので、少しずつ差はなくなってきていますが、政府が思っていたよりも改善は進んでいないようです。
女性はライフイベントによりいったん離職すると、フルタイムで復帰する人が少ないことが差異を生む原因になっていますが、企業側の女性労働者に対する意識も一因になっています。女性活躍に向けた企業の取り組みを更に促進させる目的で、公表範囲を拡大し義務化していくようです。
近年は女性の学歴水準も大きく上がっています。また、男女を分けて考える必要のない仕事も多くありますし、機械化により同じ仕事量をこなすこともできるようになっています。
男性と同じ賃金であれば、もっと働きたいと考える女性も増えてきているので、差異を公表することで、男女を区別しないといった企業側の意識改革も、今後必要となっていくでしょう。