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女性施設整備の支援

冨田義広

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2019年に施行された「働き方改革」ですが、長時間労働が定着した建設業界や医療業界・研究機関、また、ネットによる売買等により物流量が増加した物流業界では、直ちに実施することができませんでした。
そのため、5年間の猶予が与えられていましたが、2024年3月にその猶予期間が終わります。今それぞれの業界で起きている「2024年問題」は、その猶予が終わることから言われている問題です。

2024年4月からは、猶予が与えられていた各業界にも、残業時間の上限規制が設けられます。そのため、従業員の残業時間が減っても今までの業務量を維持するためには、効率化と従業員の増員が必要となるでしょう。
この建設・物流業界の人手不足解消方法のひとつとして、女性労働者の入職・定着を政府も推奨しています。
特に建設業は、女性が少ない職場のため、例え女性が入社しても、更衣室やトイレなどの設備が不十分な企業が多い傾向にあります。それを解消するために、厚生労働省は建設中小企業に対する助成金制度を拡充する方針を決めました。
対象となる女性専用施設は、トイレ、更衣室、シャワー室・浴室が該当し、支給上限額を現在の60万円から90万円に引き上げる予定です。

これとは別に、物流業界も女性のトラックドライバーを増やそうとしています。
女性ドライバーが働きやすい環境の整備を行った事業所に、補助金を出す自治体も出てきました。
こちらも、女性専用の休憩室や更衣室などの新設や改修、また、女性だけには限りませんが、トラック後部に装着する昇降機(リフター)など、ドライバーの負担を減らす設備にも補助金を出すところもあるようです。
女性ドライバーに関しては、人手不足解消だけではなく、荷物を丁寧に扱ってくれるといった業界のイメージアップも図ることができるため、国土交通省も女性ドライバーの増加に力を入れています。

どちらの業界も、力仕事だから女性には無理ではないかと考えがちですが、現在は機械化が進んでいるため、以前ほど力が必要ではなくなっているようです。また、女性が増えれば、男性とは違う視点で、業務の改善や高齢化対策を進めることができるかもしれません。
今後、様々な支援を活用して、女性従業員を増やす努力が求められています。

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専門家

冨田義広(社会保険労務士)

冨田社会保険労務士事務所

事業運営の中で発生する、さまざまな労務問題に対応。人事の現場経験で培った知識とノウハウを軸に人事や労務、法律に関する相談から給与計算や社会保険手続きにも応じています。

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