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繋がらない権利

冨田義広

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日本労働組合総連合会(略称:連合)が昨年の12月に公表した「繋がらない権利」に関する調査2023の結果、雇用者の7割以上が勤務時間外に業務上の連絡がくることがあると回答し、その6割以上がストレスを感じると答えています。

現在、日常的な社内業務では、「スマートフォン」「PCメール」「メッセージアプリ」がよく使用されていて、取引先とのやり取りは、「PCメール」「Web会議システム」が多い傾向です。
特に、コロナ禍以降、テレワークを取り入れる会社が増えたため、こういったコミュニケーションツールを使って連絡を取り合うことが多くなりました。
どこにいても繋がることは便利なのですが、いつでも繋がることは、いいことばかりではありません。実際、コロナ禍前より、「勤務時間外に部下・同僚・上司から連絡がくる」との回答が8.2ポイント増えています。

こういった連絡に返信を強要することは、労基法違反になる場合があります。もし、返信を求めなくても、プライベートな時間に仕事のことに囚われるのはストレスになります。
EUの国の中には、「勤務時間外のメールを確認しなくてもいいという権利」が保障されている国もありますが、日本では、勤務時間外の業務連絡についてルールがある職場は、調査によると25.8%しかありませんでした。

今後、この「繋がらない権利」について、日本でも問題になる可能性が高いと思われます。
責任感のある人ほど、仕事関係ならば勤務時間外でも対応しなくては・・・と考えがちですが、携帯電話が無かった時代は、繋がらないことが普通でした。社員のストレス軽減のためにも、「緊急時以外は連絡しない」など、会社でも一定のルールを決めておく必要があるでしょう。

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専門家

冨田義広(社会保険労務士)

冨田社会保険労務士事務所

事業運営の中で発生する、さまざまな労務問題に対応。人事の現場経験で培った知識とノウハウを軸に人事や労務、法律に関する相談から給与計算や社会保険手続きにも応じています。

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