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離職防止対策

冨田義広

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厚生労働省から発表されている新卒者の就職後3年以内の離職率は、令和2年度の調査では、高卒で36.9%、大卒で31.2%と、いずれも3割を超えています。
離職を防ぐため、企業側も様々な施策を講じていますが、離職の理由が人それぞれで多岐に渡ったり、構造上の問題があったりと、簡単には解決しないことが多いようです。
そこで、企業が実践したユニークな離職防止対策をいくつかピックアップしてみました。

◆月間の残業時間を0にした社員に、15,000円の手当を支給する
残業をせず、時間内に仕事を終わらせた社員を称賛する取り組みによって、残業時間が削減されたそうです。生産性が上がるだけでなく、定時で帰ることによって、社員はプライベートの時間を有意義に過ごすことができるようになりました。
◆社員を他社に留学させる
人間関係の悩みやトラブルによって辞めてしまう人も多くいます。また、現在の自分の仕事にやりがいを感じられないなどの悩みがあるとき、人事異動で解決できればいいのですが、それでも難しい場合に、他社に出向できる制度がある会社があります。一度離れてみることで、職場や仕事を見つめ直すいい機会になるようです。
◆マニュアルを充実させる
教える先輩社員によって、内容や指導方法が違う場合がよくあります。不慣れな仕事に対し、思うように対応できなければ自信をなくし、離職してしまう可能性があります。そういったトラブルを防ぐため、誰が教えても同じになるようなマニュアルを作成し、それを基本にして指導いていく方法です。この方法によって、新人社員だけではなく、教える先輩社員の負担も減ったそうです。

その他にも、些細なことでも相談できる窓口を作った企業や、朝ごはんを食べずに出社してきた社員のために、無料の軽食を用意した企業などもあるそうです。
ただ、どんなに素晴らしい取り組みだとしても、社員のニーズに合っていなければ意味のないものになってしまいます。離職を防止するためには、社員の不満や悩みを上手に聞き取り、ピッタリと合った方法を探る必要があるでしょう。

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冨田義広
専門家

冨田義広(社会保険労務士)

冨田社会保険労務士事務所

事業運営の中で発生する、さまざまな労務問題に対応。人事の現場経験で培った知識とノウハウを軸に人事や労務、法律に関する相談から給与計算や社会保険手続きにも応じています。

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