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103万円、106万円、130万円の壁

冨田義広

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先週、衆議院予算委員会で、パート社員などの年収130万円制度の見直しを検討するとの岸田首相の発言がありました。

パート・アルバイト社員には、「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」があると言われています。
まず、「103万円の壁」ですが、所得税の支払義務が生じます。ただし、103万円を超えた部分に課税されるため、金額はそれほど大きくはありません。大きな影響があるのは、扶養者が勤務先から「配偶者手当」などをもらっている場合です。全ての会社ではありませんが、配偶者の年収が103万円を超えると、配偶者手当を支給しないとしている会社が多いことから、このように言われるようになりました。心配な方は、一度扶養者の勤務先の配偶者手当の支給要件を確認してみるといいでしょう。

昨年からよく言われるようになってきたのは「106万円の壁」です。
2022年10月から、従業員101人以上の会社に勤務していて、所定労働時間が週20時間以上、月88,000円以上の収入がある場合、本人が健康保険や厚生年金に加入しなければいけなくなりました(学生は除く)。88,000円×12か月で1,056,000円となるため、「106万円の壁」と言われています。
健康保険・厚生年金両方合わせると、年間15万円ほどの負担となります。もちろん、保障や年金は充実しますが、年収105万円の時と比べると、手取り額が大きく減ってしまったように感じます。
2024年10月からは、51人以上の会社にも適用される予定のため、現在対象外の方も働き方の見直しが必要になるかもしれません。

そして、「130万円の壁」ですが、年収が130万円以上になると、原則全ての人が、配偶者の扶養から外れて、社会保険を負担することになります。
健康保険の加入条件にならない会社に勤めている場合は、国民健康保険や国民年金を納めることになり、更に負担が増える可能性もあります。

賃金アップが嬉しい反面、このような「壁」のせいで働く時間を制限してしまい、結果収入が増えないといった話をよく聞きます。今回の見直しで、被扶養者への対応を柔軟にすることにより、もっと長く働きたい人が自由に働ける制度になればいいと思います。

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専門家

冨田義広(社会保険労務士)

冨田社会保険労務士事務所

事業運営の中で発生する、さまざまな労務問題に対応。人事の現場経験で培った知識とノウハウを軸に人事や労務、法律に関する相談から給与計算や社会保険手続きにも応じています。

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