就活とオワハラ
日本では少子高齢化が急速に進み、働く人口が減少する中で、経済社会を維持するため、また、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、労働環境の整備を目的とした「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」が改正され、令和3年4月から施行されています。
主な改正の内容は、
①70歳までの定年の引き上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度の導入
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資等する団体が行う社会貢献事業
のいずれかの措置を事業主が講じるよう努めることとなっています。
これはあくまでも「努力義務」であり、必ず70歳まで定年年齢を引き上げなければいけないという訳ではありません。
先日、厚生労働省から出された調査結果によりますと、令和3年6月の時点で、報告を受けた23万2059社のうち、25.6%が上記の措置のどれかを実施済みであるとの結果が出ました。
多い順に、③の「継続雇用制度の導入」が19.7%、次に②の「定年制の廃止」が4.0%、①の「定年の引き上げ」が1.9%となっています。
やはり、人件費の増加につながる定年制の廃止や定年の引き上げ措置は少なく、人材不足が深刻な中小企業の方が、実施している企業の割合が多かったようです。
業務内容や仕事量、労働時間などの配慮はもちろん必要ですが、70歳就業確保を進める企業が増えれば、長く働き続けたいと思う意欲ある高年齢者が、職場を変えることなく継続して働くことができるようになるのでしょう。