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田村兼人

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コラム

愛犬と素敵な時間を過ごすために

2016年11月30日

近年、愛犬の平均寿命が14歳との報告がなされています。この20年余りで約4年も平均寿命が伸びています。また、死亡原因にも大きな変化が認められます。いつまでも一緒にいたいと願う私たちにとって、愛犬と素敵な時間を過ごすために必要なことは何かを考えていきたいと思います。
現在、愛犬の死因のトップ10は以下のとおりです。

・犬の死亡原因ランキングトップ10
1位 ガン 54%
2位 心臓病 17%
3位 腎不全 7%
4位 てんかん発作 5%
5位 肝臓疾患 5%
6位 胃拡張・胃捻転 4%
7位 糖尿病 3%
8位 アジソン病 2%
9位 クッシング病 2%
10位 突然死 1%
※日本アニマル倶楽部 犬・猫 死亡原因病気TOP10より

私が獣医師となった25年前は、フィラリア症、ジステンパーなどの感染症が死因の上位を占めていました。
このように愛犬の平均寿命の延長と死亡原因の大きな変化は、その関連性から次に掲
げる「環境」に大きな要因があると考えられます。それは、①医療環境 ②生活環境 
③栄養環境です。

医療環境
  近年、獣医療の発展と予防医療の浸透が顕著に認められます。
CT、MRIなどの高度医療機器を用いての診断技術の発達はもちろんですが、診療現場においては一般検査機器の発達も著しいものがあります。血液検査、レントゲン検査、超音波検査などはどの動物病院でも日常的に行う検査となりました。このような検査機器の発達と充実により病気の早期発見、確定診断技術の向上、治療方法の確立へと繋がるようになりました。また、フィラリア症予防、混合ワクチン接種など予防医学の発達とそれら予防をすることが常識的になってきていることにも医療環境の向上につながってきています。
生活環境
私が獣医師となった約25年前と今日とでは、愛犬の生活環境には大きな変化があります。屋外飼育から室内飼育へと人と同じ環境下での生活が当たり前となってきました。
これは、ブームの後押しもありますがペットの小型化が進んできたこと、ストレス社会に生きる我々人間が癒しを動物に求めてきていることなどの社会的な変化が、その生活環境の変化につながっているのではないでしょうか。このような背景のもと人と同様、あるいはそれ以上の生活環境が確保され、愛犬の環境的ストレスが軽減されているように思います。
栄養環境
  食餌面においても大きな変化があります。動物栄養学の発達により、ドッグフードにもより質の良い物が求められるようになりました。一昔前、人の食べ残しを与えていた時代を振り返ると、今日の食餌は栄養バランスの整ったものが多く、またたくさんのメーカーがこぞって商品開発に取り組んでいることもペットショップのドッグフード陳列棚を見るとわかります。

「愛犬と素敵な時間を過ごすために」
上述の3つの環境を考え見つめていくことが大事だと思います。
医療環境では、確実な予防、定期健診、愛犬に変化が認められたら早期の受診です。
生活環境では、できるだけストレス(物理的、精神的)のない生活環境を構築することです。栄養環境では、愛犬に必要な栄養素をバランスよく含む食餌を実践していくことです。
一方で、人は優しさのあまり過保護になったり、「この子はあと何年生きられるかしら?」「この子がいなくなったことを考えるといつも泣いてしまう」など、悲しい未来を想像して愛犬と接してしまう場合があります。動物は、未来を想像して生活をしていません。動物にとって最も大切なのは、今この時です。その時その時をいかに楽しく一緒に過ごすかということが、愛犬を笑顔にすることにつながります。お互いが笑顔で素敵な時間を過ごせるよう私たち獣医師は、できる限りのお手伝いさせていただきます。

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