心を豊かにする紳士服のコンシェルジュ（1/3）

同じ服に満足できない人が集まるショップ

「お客さま一人ひとりのコンシェルジュとなって接客し、洋服という文化を通じて心を豊かにしたい」。そう語るのは、石川県白山市にある紳士服のセレクトショップ「ひらた」の代表取締役、平田博盛さんです。

国道8号線から少し入った場所にある郊外店。中へ入ると、百坪もある広い店内にスーツやシャツなどの紳士服がずらりと並んでいます。出迎えてくれた平田さんは、すらっとした長身の紳士で、まずはお店の歴史について話してくれました。

もともと店舗は旧松任市の商店街にあったのだとか。しかし、先代の父親が「国道8号線沿いの郊外に出店したい」という夢を持っており、その願いが叶って現在の場所へ。平田さんは四代目店主としてお店を経営しています。

移転してから2015年秋で二十年目となりますが、「これまでにたくさんのお客さまに支えられてきました」と話す平田さん。お店の特徴をたずねると、「他の人とは違った個性のある洋服を着たい方、同じ服では満足できない方に来ていただきたいお店ですね」と言い、時代が変わっても客足が途絶えない理由を語ってくれました。

「全国展開している量販店ですと、毎回接客する店員が違いますよね。でも、ここなら私がいつもお相手しますから、お客さまのことをしっかり把握したうえで対応できる。そんな安心感があるからこそ、ごひいきにしていただいているのだと思っています」

＜次ページへ続く＞

【次ページ】フルオーダーで世界に一つだけの一着を

次のページへ