心を豊かにする紳士服のコンシェルジュ（2/3）

フルオーダーで世界に一つだけの一着を

平田さんは頭脳というコンピューターに顧客の顔立ちや体型、好みをインプットしており、その人その人に合った一着を提案。仕入れに行った時も、「これはあのお客さまに似合うなとか、この組み合わせはあの方にぴったりだなと思い浮かぶ」そうです。

顧客の要望にとことん応える姿勢も平田さんのモットー。「『こんな感じの服がほしい』と言われれば一生懸命探します。百%同じものがなかったとしても、それに近いものをご提案します」と話し、親身な対応ならどこにも負けないと胸を張りました。

「結局、私は『かかりつけのお医者さん』ならぬ『かかりつけの洋服屋さん』になりたいんです。実際、洋服のことで困ったらまず連絡してくださる常連さんは少なくありません。そういった時に、お一人おひとりのコンシェルジュとしてアドバイスをしています」

そんな平田さんが近年、力を入れているのが、スーツから礼服、ジャケット、シャツ、靴に至るまでフルオーダーで作るサービスです。店内には厳選した三百種類の生地があり、「既製品とは違う、世界に一つしかない一着」を仕立てることができます。

店舗中央にある喫茶コーナー。そこでゆっくり話をしながら、「まずはお客さまの要望をじっくり聞いて、どういったシーンで着るのか、どういった機能を付けるのか、その人はどういった体のクセを持っているのか…といったことを把握してデザインを固めます」と平田さん。スーツであれば三万九千円（税別）からフルオーダーが可能とあって、「ぜひその着心地を一度体感してほしい」とアピールしていました。

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