耕作放棄地率の増加と担い手不足
緊急事態宣言と言っても、新型コロナウィルスの話ではありません。
奥能登の農業のお話です。
「誰が出したの?」
と、思われるかもしれませんが、決して行政機関等が出したわけではありません。
あくまでも、私が「勝手に」宣言しただけです。
とは言え、私自身、奥能登の農業のすべてを把握しているわけではありません。
あくまでも、奥能登の棚田で、主にお米を生産している私の個人的な知見に基づくものですので、
「うちはそんなことないよ~」
というご意見もあるかもしれませんが、そこはご容赦ください<m(__)m>
さて、勝手に出した『奥能登農業緊急事態宣言』。
奥能登の農業を取り巻く環境は、非常に厳しい状況です。
コロナ禍の影響により、お米の市場価格も前年比約2割減となりましたが、
単純に「売上があがらない」「儲からない」から厳しい=緊急事態ということだけではありません。
奥能登の農業人口は、大幅に減少傾向です。
輪島市の農業者の平均年齢は、70歳を超えています。
耕作をしていない、耕作放棄地の割合も高い状態です。
このままでは、奥能登の農業、ひいては農地に囲まれた美しい農村も衰退し、やがて消滅する地域も出てくるかもしれません。大げさかもしれませんが、現場にいる者としては、このような危機意識が年々高まっています。
折しも一昨日、11月25日から、石川県では「世界農業遺産国際会議」が開催されています。
『能登の里山里海』が、日本で初めて世界農業遺産に認定されてから10年が経ちました。
この10年で評価されるべき点もたくさんあると思います。
様々な取り組みが功を奏した事例もあることでしょう。
しかし、先述したとおり、奥能登の農業を取り巻く環境は、決して明るい状況だとは言えません。
世界農業遺産認定の地である奥能登の農業をどうしていくべきなのか?そのために何をしないといけないのか?
このようなことも真剣に考えるきっかけとなる会議であってほしいと思います。
本コラムの次回以降は、奥能登の農業の現状について、データを交えて詳しくご説明していきたいと思います。