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本音で語らんかいね!

山下祐介

山下祐介

田植え時期の金蔵の棚田
「頑張ってください!」
「応援しています!!」

ありがたいことに、お客様から激励のお言葉をいただけることが増えてきました。
「本当に美味しい!」
「また〇月頃に注文しますね!」

このようなお言葉を聞くたびに、もっと頑張らないと!と、強く思います。

農業を取り巻く環境は、決して楽なことばかりではありません。解決すべき問題が山積みです。そして、その課題は地域によっても様々です。同じ石川県であっても、もっと言えば、この棚田が広がる金蔵集落と平野部とでも、異なる課題があったりします。
農業を取り巻く環境は、私1人ですべてが解決できるものではありません。
行政をはじめ、各種団体の皆様方の知恵をお借りし、協力を得ながら、少しずつ解決できたら…。そう思っています。

そうであるからこそ、
「本音で語らんかいね!」(「本音で語りましょうよ!」というニュアンスの能登弁)
と、最近発言することがあります。

単なるパフォーマンスのような会議、会合をしている時間なんて、もうありませんよ!
解決が急務な課題が山積みなんです!
上辺だけの意見、提言をしている時期は、もう過ぎています。
時には聞きたくない意見、耳障りな意見、できれば聞かなかったことにしたい意見もあることでしょう。
それは、我々農業者からだけではなく、それぞれの立場から出てくる話だと思っています。

しかし、そういう話を真摯に受け止め、解決に向けて進めていく努力が、今以上に求められていると思っています。

ハマった田植え機

写真のような田んぼがあります。
機械がハマるような田んぼです。避けたくても避けられないところでハマることもあります。田んぼへの進入路が無く、田んぼから農機具が出てこられなくなる田んぼもあります。
このような田んぼは、何かしらの改良をした方がいいのは百も承知です。しかし、1枚だけならいいのですが、何枚もとなると、相当な費用がかかります。

このような田んぼを改良したいが、費用の補助等はないのか?
自費での改修は困難、これ以上この田んぼでの作付けも困難なので、耕作を止めてもいいですか?
耕作を止めたら、耕作をしない田んぼ(休耕田)がたくさんでてきますが、それでもいいですか?
休耕田の管理ももう限界なので、放置することになるかもしれませんが、いいですか?

このような問題、悩みに対し、「補助金等はありませんが、なんとか頑張ってください!」という激励だけでは、何の問題解決にもなりません!
「今すぐには無理だけど、来年から3年計画で改修できるように検討します!」
というように、話を進展させないと、問題解決にはつながりません。

「補助することは何もできない。直すなら自費でするしかない。それができないなら、耕作放棄地となってもやむを得ないので、無理だと判断したら、耕作を止めてください。」
というご意見も、それはそれで解決につながる一歩の意見だと思います(この結論が妥当かはさておき)。

上記はあくまでも「例」です。自分勝手な意見です。ですが、こういう意見を集めることで、地域が抱える課題が見えてきて、それに対する現時点での解決策、数年後の未来の農業のあり方としての解決策が出てくるのではないでしょうか?

1年ほど前に、「本音で語らん会」という会に参加しました。
この会は、能登高校の生徒さんが「地域の大人と本音で話をしてみたい!」という意見から生まれた企画でした。我々農業関係者も、立場・役職・プライド・面子などにとらわれることなく、「本音で」語る必要性があるのではないでしょうか?

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山下祐介
専門家

山下祐介(農業)

のと栄能ファーム

当初農業の知識はなかったが、だからこそ従来の方法に縛られず、独自の発想で新しい稲作に取り組むことができた。コストや労力がかかる棚田での米作りを逆に特徴と捉え、他と差別化したブランド米を生産している。

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