軟骨がすり減っていると言われたのに…それでも良くなった膝の痛みの話 その1

中田和宏

中田和宏

テーマ:健康とはり



―『年齢のせいです』と言われた膝痛に、もう一つの見方があります ―


はじめに


「注射も薬も効かない膝の痛み」に悩んでいませんか?
病院で
「年齢相応ですね」
「軟骨がすり減っています」
と言われ、注射や痛み止めを続けている
でも

  • ・階段がつらい
  • ・歩くと痛む
  • ・湿布では変わらない


その痛み、実は“関節の外”が原因かもしれません

ひざ関節痛は大きく2種類に分けられます


1)関節【内部】の疾患(骨・軟骨・半月板・滑膜など)


  • 変形性膝関節症:軟骨のすり減り、骨棘形成:動き始めの痛み、立ち上がり・階段で悪化
  • 半月板損傷:ひねり動作で発症しやすい、引っかかり感、クリック、ロッキング
  • 関節内遊離体(関節ねずみ):急に膝が動かなくなる、激痛
  • 滑膜炎:膝の腫れ、熱感、動作痛
  • 膝関節リウマチ:両側性が多く、朝のこわばりが強い
  • 化膿性膝関節炎(※要注意):発赤・腫脹・強い疼痛・発熱
  • 痛風・偽痛風:急激な腫れと激痛、夜間発症が多い


関節内疾患の特徴


  • 腫れ・水がたまる
  • 可動域制限
  • 動作時痛+安静時痛が混在
  • 画像検査(X線・MRI)で所見が出やすい



2)関節外部の疾患



関節そのものではなく、筋肉・腱・靱帯・滑液包・神経などが原因です。
主な疾患

  • 鵞足炎(がそくえん):膝の内側下方の痛み、階段・歩行・ランニングで悪化
  • 膝蓋腱炎(ジャンパー膝):膝のお皿の下の痛み、スポーツ後に増悪
  • 大腿四頭筋腱炎:膝蓋骨上部の痛み
  • 腸脛靱帯炎:膝外側の痛み、長距離歩行・ランニングで悪化
  • 内側側副靱帯損傷(MCL):外反ストレスで痛む、押すと強く痛む
  • 外側側副靱帯損傷(LCL):滑液包炎(膝前・膝内側など)、押すと強く痛む
  • 筋筋膜性疼痛:トリガーポイント由来の関連痛



関節外疾患の特徴

  • 押すとピンポイントで痛い
  • 動かせるが特定動作で痛む
  • 腫れは局所的
  • 画像では異常が出にくいことも多い


この2つは「治療の考え方」も「鍼灸の効き方」も違います

鍼灸治療で改善が見込めるのはどちらか?


特に改善が期待できるもの


  • 関節外部疾患
  • 筋肉・腱・靱帯由来の痛み
  • 画像に異常が出にくい痛み
  • 押すとピンポイントで痛いタイプ


血流改善・筋緊張調整・神経過敏の正常化と、鍼灸の得意分野です。

状態を見ながら対応するもの


  • 関節内部疾患
  • 変形性膝関節症(初期〜中期)
  • 滑膜炎による痛み


軟骨そのものは再生しませんが痛み・炎症・動作不安の軽減は十分可能

「軟骨がすり減っている」と整形外科で言われ、治療を続けている


画像で「軟骨のすり減り」がある= 痛みの原因がそこにあるとは限らない
現実問題として
軟骨がすり減っていても痛くない人
軟骨の変化が軽度でも強く痛む人
さまざまです。
痛みの正体は関節を支える筋肉や腱の疲労・炎症であることが多いからです。

あなたが「関節外の痛み」に気づくために


こんな特徴はありませんか?

  • 膝の「ある一点」を押すと強く痛い
  • 朝よりも昼過ぎや動いたあとに痛む
  • 階段・立ち上がり・坂道で悪化
  • 温めると楽になる


これらは関節外部疾患のサインであることが多いです

関節外部疾患に対する鍼灸治療のポイント


鍼灸で重視するポイント


  • 痛い場所「だけ」を刺さない
  • 原因筋(大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングスなど)
  • 股関節・足関節との連動
  • 神経の過敏状態の調整



こんなことに注意して鍼灸治療をています


  • 炎症が強い急性期は刺激量を抑え、消炎効果の高い微弱電流を用いて治療します
  • 関節内疾患が隠れていないかの見極め(鍼灸治療を行う前に整形外科で診察してもらいます)
  • 医療機関との連携(レッドフラグの除外)



好発年齢の傾向


関節内部疾患


  • 50代後半〜
  • 特に女性に多い
  • 加齢・体重・O脚傾向



関節外部疾患


  • 30〜60代と幅広い
  • 立ち仕事・歩きすぎ・運動不足
  • 「最近生活が変わった」人に多い



自宅でできるセルフケア


関節内部疾患タイプ


目的:炎症を抑え、動きを保つ


  • 太もも前の軽いストレッチ
  • 痛くない範囲での膝伸ばし運動
  • 冷えやすい人は温めケア
  • 体重管理・歩きすぎない工夫



関節外部疾患タイプ


目的:筋肉・腱の負担を減らす


  • 太もも内側・外側のストレッチ
  • お尻・股関節の体操
  • 入浴後のセルフマッサージ
  • 痛みがある日は「休ませる」選択



※「痛いのに無理に動かす」は逆効果


まとめ


「原因が違えば、良くなる道も違う」、つまりひざの痛み=軟骨だけではありません。
注射や薬で変わらない痛みには別の視点が必要です。
鍼灸は「画像に写らない痛み」にこそ力を発揮します。
長引く膝痛でお悩みの方は一度、関節の外側にも目を向けてみてください。

次回につづく

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中田和宏
専門家

中田和宏(鍼灸師)

トキの森鍼灸院

初診時のカウンセリングでどんな状態か明確にし、できることを説明します。施術計画を立てて最適な施術を提供します鍼灸治療にたずさわって約40年のベテラン鍼灸師が優しく対応しますお困りならまずご相談を!

中田和宏プロは北陸放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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