腰をそらすと痛い!後屈で起こる腰痛の犯人は?改善方法と自宅での注意点

こんにちは。鍼灸師のつぼなかぢです。
「なんとなく調子が悪い」「病院では異常なしと言われたけれど、体がしんどい」
そんな不調に悩む方が、年代や性別を問わず年々増えています。
その原因として近年注目されているのが、「自律神経の乱れ(自律神経失調症)」です。
今回は、病院での治療との違いや、鍼灸がどう役立つのか、そして自宅でできるセルフケアについてもわかりやすくご紹介いたします。優しい気持ちで、ご自身の体と向き合う時間にしていただけたら嬉しいです。
目次
自律神経失調症ってどんなもの?
自律神経は、体を自動的に調整してくれる「無意識のコントロールセンター」。
交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)がバランスを取りながら、私たちの体を24時間守っています。
しかし、ストレス、疲労、不規則な生活、ホルモンの変動などでこのバランスが乱れると、さまざまな不調が現れます。
主な症状
身体的な症状
めまい、頭痛、動悸、息苦しさ、胃の不快感、下痢・便秘、倦怠感、のぼせ、発汗過多、手足の冷えなど
精神的な症状
イライラ、不安感、うつ状態、集中力の低下、やる気が出ない、涙もろくなるなど
睡眠の不調
入眠困難、夜中に目が覚める、眠りが浅い、朝スッキリしないなど
これらの症状は、ひとつだけでなく複数が重なることが多く、日常生活に支障をきたすこともしばしばです。
病院での治療とその限界
自律神経失調症は「明確な原因が見つからない」ことも多いため、まずは内科・耳鼻科・心療内科などを受診し、重大な病気がないことを確認することが大切です。
病院では、以下のような治療が行われます。
自律神経調整薬(トフィソパムなど)
抗不安薬や抗うつ薬
睡眠導入剤
漢方薬(加味逍遥散、柴胡加竜骨牡蛎湯など)
カウンセリングや心理療法
ただし、「薬はなるべく使いたくない」「体質から整えたい」という方や、薬が合わなかった方には、東洋医学的なアプローチがとても有効です。
鍼灸が自律神経にどう働きかけるの?
鍼灸では、全身の「気(エネルギー)」と「血(血流)」の流れを整えながら、体のバランスを取り戻していきます。特に自律神経の調整に特化したツボを使うことで、心と体を優しくリセットする力があります。
鍼灸が期待できる効果
副交感神経を優位にし、リラックス状態をつくる
脳への血流を増やし、めまいや頭痛を緩和
胃腸機能や呼吸の調整によって内臓の調子を整える
心の不安を和らげ、眠りの質を向上させる
回復までの目安
症状の強さや継続期間によりますが、多くの方が3ヶ月以内に改善の兆しを実感されています。初期段階でケアを始めるほど、改善スピードも早くなる傾向があります。
鍼灸でよく使う、自律神経に効くツボ3選
百会(ひゃくえ)
頭のてっぺん。両耳の先と眉間の延長が交わる点。
→気の流れを整え、頭のふらつき、不眠、不安に。
内関(ないかん)
手首のしわから指3本分ひじ側、腱の間。
→胸のドキドキ、吐き気、情緒不安に。
神門(しんもん)
手首の小指側、くぼみにあるツボ。
→緊張をほぐし、眠れない夜やイライラに効果的。
おうちでできる、ツボ押しセルフケア
1日3回、呼吸を意識しながら優しくツボを押すだけでも効果があります。
「押して気持ちいい」と感じるくらいの強さで、1回10〜20秒ほど。
朝は「百会」でスッキリ目覚めを
昼は「内関」で気持ちを落ち着けて
夜は「神門」でリラックスモードに
入浴中や就寝前のルーティンにするのもおすすめです。
簡単ストレッチで副交感神経をオンに
ストレッチは、自律神経のスイッチを切り替えるのにとても効果的です。
ねじりのポーズ(座ってできる)
椅子に浅く腰かけ、背筋を伸ばす
息を吸って、吐きながらゆっくり体を右にねじる
反対側も同じように行う(各5〜10秒)
→背中・お腹の緊張がゆるみ、深い呼吸がしやすくなります。
ゆらゆら背中リラックス
仰向けに寝て両膝をかかえる
体をゆらゆら左右にゆらす
背中をほぐしながら、5〜10回
→副交感神経が優位になり、心地よい眠りにつながります。
おわりに
自律神経は、目に見えないけれど、私たちの健康をそっと支えてくれている大切な存在です。
不調を感じたら、「がまん」ではなく、「いたわる」ことを選んでみてください。
鍼灸は、体質や生活リズムに合わせてじんわりと効いてくれる、やさしい治療法です。
そして、自宅でのツボ押しやストレッチも、あなたの心と体に寄り添うセルフケアになります。
このコラムが、誰かの「ちょっと元気になれる」きっかけになりますように。




