ぎっくり腰の原因は冷え⁈-原因と対策-

中田和宏

中田和宏

テーマ:健康とはり





はじめに


今年も5月から暑い日が続いています。梅雨に入ってからは蒸し暑さとなって皆さん大変ご苦労されているようです。
30度越えの猛暑日になったと思ったら突然のゲリラ豪雨。線状降水帯に当たるとそれはもう戦場のようです。
被害が出ないことを願うばかりです。
さて、7月に入りなんだか変だなあと思うことがありました。6月から7月上旬にかけてぎっくり腰で鍼灸治療を受けに来る方がやたら多い。ネットを見てきたという新規のお客様だけでなく、これまでひざ痛や肩こりで通院されていた方まで。約二日に一人の割合です。
近年、ちょっとそんな気配はしていました。
開業した当初、ぎっくり腰の発症は3月、4月が多かった、それは季節的に活動が活発になる、職場や生活環境が新しくなってストレスフルになる、木の芽時などとも言いますが、そんなときに無理をして腰を痛めるパターンでした。
しかし、近年春や秋が少なくて夏と冬が長い、そんな1年です。もう5月にはエアコンで涼を取らないと熱中症になってしまうといわれます。
気温や湿度が高くてからだがついていかない、そして冷やしすぎて異常が起こります。

どんな時ぎっくり?


ぎっくり腰の初発はちょっとした動作が多いです。
シャワー後にからだを拭いていて

  1. 前かがみで物を取って起き上がったら
  2. いすから立ち上がって
  3. クルマから降りるときに
  4. なんでなったかわからない


など、生活の一部分で起こります。さっきまで大丈夫だった動作なのにです。
体調としての基盤に何かが積もり積もっておこることは経験者にはわかると思います。お酒の席が続いた、最近太り気味、運動不足など。
その一つが冷えです。

冷えについて


冷えは、身体が十分に暖まらない状態をいいます。特に手足や腰、腹部が冷たく感じられることが多いです。冷えの原因としては以下のようなものがあります。

  • 血行不良: 血液循環が悪くなると、手足などの末端部分が冷えやすくなります。
  • 代謝低下: 代謝が低下すると、体温を維持するための熱が十分に生成されなくなります。
  • 自律神経の乱れ: 自律神経の働きが乱れると、体温調節機能が正常に働かなくなります。
  • 環境要因: 寒冷な気候やエアコンの過度な使用も冷えを引き起こします。



突然痛くなるぎっくり腰。詳しくお話を聞くと冷えていることがわかります。具体的には、

  • 寝ているときに25度以下の冷房をずっとかけていた
  • キンキンに冷えたビールで毎晩晩酌していた
  • お風呂に入らずシャワーですませていた
  • 汗をかいたらふき取る前に冷房で涼んでいた(皮膚が冷たくなってます)
  • 暑さのせいか眠れない日が何日かあった
  • 暑さのせいか食欲が落ちていた、または爆食いしてしまった
  • 水分補給が足りずに便秘気味だった
  • 忙しくてジムやフィットネスに行けてなかった



ぎっくり腰について


ちゃんとした呼び名は「急性腰痛」。
急性腰痛は、突然の腰の痛みを指し、通常は数日から数週間続きます。以下のような原因が考えられます。

  • 筋肉や靭帯の損傷: 重い物を持ち上げたり、急な動きをしたりすると、筋肉や靭帯が傷つきやすいです。
  • 椎間板の問題: 椎間板ヘルニアなど、椎間板の異常が急性の痛みを引き起こすことがあります。
  • 関節の問題: 脊椎の関節が炎症を起こしたり、動きが制限されたりすることもあります。


多くは筋肉の過緊張が引き起こす痛みです。
痛みでからだを動かしにくい
立ち上がれば歩けるけれどもからだがまがっている。まっすぐにできない。
安静にしていれば痛みは強くないかほとんど感じない
というのが多くみられる症状です。

冷えと急性腰痛の関係


冷えが急性腰痛の一因となることがあります。以下のようなメカニズムが考えられます。

  • 筋肉の硬直: 冷えによって筋肉が硬直しやすくなり、その結果、腰部の筋肉や靭帯に負担がかかりやすくなります。
  • 血行不良: 血行が悪くなると、筋肉や組織への酸素供給が不足し、疲労や痛みが発生しやすくなります。
  • 体温調節機能の低下: 自律神経が乱れ、体温調節がうまくいかないと、筋肉の緊張が増し、痛みを引き起こしやすくなります。


予防と対策


適切な温度管理: 室内を適切な温度に保ち、冷えを防ぎます。

  • 温かい服装: 外出時には暖かい服装を心がけ、特に腰部を冷やさないようにします。暑い季節、日中は涼しい恰好で、就寝時は足を冷やさないように。
  • 適度な運動: 血行を促進し、筋肉を柔軟に保つために、適度な運動を行います。
  • 入浴: 温かいお風呂に入ることで、全身の血行を良くし、筋肉をリラックスさせます。風呂上りは汗が出ます。上がる前に膝から下に冷水をかけると汗が引きやすく、足がポカポカします。汗が引きにくい人はベビーパウダーなどをはたいておくといいでしょう。


冷えと急性腰痛は密接に関連しているため、日常生活での予防対策を心がけることが重要です。

おわりに


重いものを持つと起こるって思っている方が多いぎっくり腰。じつは冷えが原因になっておこります。きっかけはさまざまです。
温暖化のせいといわれる異常気象で地球だけでなく人のからだもおかしくなっています。十分注意して気が付いたらすぐに生活を改めましょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

中田和宏
専門家

中田和宏(鍼灸師)

トキの森鍼灸院

鍼灸師として30年以上、体と心のさまざまな悩みに対応。一人一人に丁寧に向き合い、全身の状態を見極め、問題の原因を探ります。腰の痛みや肩こりなどを多く扱い、ストレスによる不安や不妊の悩みにも対応。

中田和宏プロは北陸放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

つらい痛みを軽減し、心身の健康を導く鍼灸のプロ

中田和宏プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼