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塗装工事で失敗する人

栗山勇次

栗山勇次

テーマ:外壁塗装の話し

屋根 外壁の塗装で失敗しない為のアドバイス

あこがれのマイホームに住みだすと、いろんな訪問者が来ます。
新築祝いの知人 友人だととても嬉しいですが、その様な訪問者ばかりではありません。
「新聞とって下さいよ」・「新車いかがですか」・「太陽光発電どうですか」・「ベランダの上にテラスをつけませんか」などの、勧誘。
うるさいなと思っていると、こんどは電話が鳴り、受話器を取ると、
「千円お試しクリーニングですけど」・「お墓いかがですか」・「屋根の無料点検です」・「塗装工事いかがですか」とあきれるほどの営業攻勢。 
これらは「うちは、結構です。」と断れば簡単に終わる。
「今は不景気だから、営業の人は大変ね」と、他人ごとに思っていると、ある時期を境に状況が一変する。
その時期とは、築年数が5年を過ぎてくると、ある業種の営業マンが異常に増える。それは、住宅塗装の営業マンでる。
こんどは、あなたの家をめがけてやってくる。
「ペンキ屋ですけど、そろそろいかがですか?」
「まだ建てたばかりですから、結構です」
「それでは、何かありましたらお願いします。」と帰る。しかし更に2~3年が過ぎると、
「ペンキ屋です」のことばに、条件反射的に、「うちは結構です」と断っても、今度は、帰ろうとしない。
「壁にひびがありますよ」「壁の防水が切れて大変なことになるよ」「雨漏りの原因になるよ」
「苔が生えてみっともないよ」など、言いたい放題である。
しかも いろいろな塗装業者(訪問販売業者)が週に2~3人やって来る。 
確かに、苔が生えたり・ひびもある。毎日、気にして見ていると、少しずつ増えているのもわかる。
しかし、家計はきびしい。子供にお金がかかる。給料も…。少しでも手入れの時期は先に延ばしたい。
「まだ雨漏りもしていないから大丈夫」と思いたい。でも、余りにも営業マンが来るので、少し不安に感じるのも事実。
いちいち断るのも、面倒くさい。ひどい営業も多い。そうか、塗装工事をやれば、この苦痛から開放されるに違いない、と思い出す。
そしたら、うちの家は「普通」のペンキで、いくら位するのかな?と思い始めた時、感じの良さそうな営業マンに聞いてみた。
「この家は、普通のペンキでいくら位するの」「ちょっと家を見させてください」と言うので一緒に家を見ながら
「何坪ですか?」「だいたい三十坪ぐらい」 と言ったら「今度、見積りを持ってきます」と帰った。
翌日その見積りを頂き、家族で検討してみた。すると疑問がいくつか湧いてきた。
「家を測っていないのに、どうして三十坪が分かるのかしら?」「窓などは塗らないのに?」「ほかにどんな塗料があるのか?」
「足場代サービスすると言うが金額を引いて貰って手抜きされたらどうしよう?」など疑問が、不信へと、どんどん変わっていき、結局断った。
今度は、近所で工事をしているという会社の若い営業マン。とても熱心なので、「いくら位するの」と聞いてみた。
すると、「詳しい者がいますから、後で連れて来ます。」との事。一時間後、詳しい人が来て、いろいろと教えてくれた。
その後、外壁を触って、「この白い粉が付くでしょう。これ何だか分かりますか?」
「これは、チョーキングと言って、外壁の防水が切れている状態。」「このままだと、雨が降るたびに、壁から水が染み込んで、大切な家の柱が腐ってしまいますよ。」
「今のうちに塗らないと、家が大変なことになる」と言われた。(実はこれが素人営業マンが使う営業トーク)
初めて聞く言葉に、そんなに良くないのなら、何とかしなければ大変と思い、見積りを出してもらう為に、細かく測ってもらった。
するとその夜に見積書を持って来た。 やけに速いなと思いながら、主人と一緒に話を聞いた。
そして、見積書を見たら、以前の所より、かなり高い。「高いね」と言うと「いい塗料ですからこのくらいしますよ」と言う。
それでは、後日返事をすると言っても、なかなか帰らない。そのうち値段を下げるから、「今日契約してほしい」と、色んな事情を話し出す。
あまりに熱心だし、近所で工事をしているなら変なことはしないだろうと思い、契約をした。
いよいよ工事が始まった。
完成後の出来ばえはどうだろうと、期待と不安の中、工事は順調に進み八分ほどが完成した時、塗るはずだった箇所が塗られていないのに気づいた。
職人に聞いてみると「そこは塗らない事になっている。」と言う。営業マンに確認をすると「塗ると約束した覚えは無い」と言う。
結局、「言った」「言わない」の話になってしまった。契約前の人の良さそうな笑顔は一転して、威圧的な態度となり、最後には「塗るのであれば別料金になる」と言い出した。
更に、悪いことに、窓ガラスにペンキが付いているのに気付いたので、クレームを言うと「多少のペンキが付くことは仕方がない」と軽く、ながされてしまった。
なんだか、納得のいかないまま、工事は完了と言うので「工事代金を払う」と、さっさと引揚げてしまった。
「信用して頼んだはずなのに…」。 こんなはずではなかった。
改めて家をよく見渡すと、雨戸の一部がへこんでいる。エアコンの室外機までもへこんでいる。
更に、ペンキの塗り残しや、ムラが目立つ。施行した、会社にクレームの電話をしても、なかなか対応してくれない。
この時、ついに怒りが爆発して、国民生活センターに相談をしたが、事務的な扱いで、らちがあかず、なんの解決にもならなかった。
「失敗した」「騙された」「損した」と、思う瞬間です。
大げさに思えるかも知れませんが 珍しい話ではありません。

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栗山勇次
専門家

栗山勇次(塗装職人)

株式会社ワークアート

素人に分かりにくい塗装の仕組みや見積もりの仕方を、月2回の勉強会で説明。職人教育にも力を入れ、明るく何でも相談できる職人を育成。下処理から塗りまで、プライドをかけた仕事で、建物の保護と美観を守ります。

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