公務員の実態
地下駐車場の浸水
国土交通省職員の職務怠慢
事故原因を知っていても数年間放置したことによる車の浸水
車の所有者はこのことを知っても国土交通省の職員を許すだろうか
民間企業であれば、とても許されることではなく、個人での責任を付給され、身銭を切らされるだろう。
では公務員はどうだろうか。
国家公務員法の服務に記載がある
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/000034062.pdf
◎服務の根本基準(国家公務員法第96条)すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
服務の宣誓(国家公務員法第97条)職員は、政令の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
法令及び上司の命令に従う義務(国家公務員法第98条)職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
争議行為等の禁止(国家公務員法第98条第2項)職員は、政府が代表する使用者としての公衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
信用失墜行為の禁止(国家公務員法第99条)職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
秘密を守る義務(国家公務員法第100条)職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。
職務に専念する義務(国家公務員法第101条)職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
政治的行為の制限(国家公務員法第102条)職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。
私企業からの隔離(国家公務員法第103条)職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
他の事業又は事務の関与制限(国家公務員法第104条)職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
上記が法令である。
義務を理解できない輩と言わざるを得ない
義務とは
「義務」とは、相手に対して何らかの行為をしなければならない法律上の拘束や負担のことです。
義務とは、下記引用
https://keiyaku-watch.jp/media/kisochishiki/kenri-gimu/
権利・義務とは?権利・義務とは?
対応関係・種類・発生原因・
履行を求める方法などを分かりやすく解説!
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この記事のまとめ
「権利」とは、何らかの利益を請求・主張・享受することができる法律上の権能をいいます。
「義務」とは、相手に対して何らかの行為をしなければならない法律上の拘束や負担をいいます。
私法における権利は、私人間など対等な者同士の間に生じる権利です。「物権」「債権」「知的財産権」「人格権」などに分かれます。
権利が生じる場合は、誰かがそれに対応する義務を負うことになります。
権利・義務の主な発生原因としては、契約・事務管理・不当利得・不法行為・親族関係・知的財産の創出などが挙げられます。
義務を履行しない者に対しては、権利者が債務名義を取得した上で強制執行を申し立てることにより、強制的に義務を履行させることができます。
この記事では権利と義務について、対応関係・種類・発生原因・強制的に義務を履行させる方法など解説します。
ヒー
「権利と義務はセット」とよく言われますよね、どういう意味でしょうか?
ムートン
例えば、契約などによって自己の権利を設定した場合、それに対応する義務が相手方に発生する、ということが想定されます。具体的に解説していきましょう。
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※この記事は、2024年9月13日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
目次
権利・義務とは
権利とは
義務とは
私法における権利・義務
私法上の権利と義務はセット
クリーン・ハンズの原則とは
憲法における権利・義務
私法上の権利の種類
財産権
人格権
権利・義務の主な発生原因
契約
事務管理
不当利得
不法行為
親族関係
知的財産の創出
義務を強制的に履行させる手続き
債務名義を取得する
強制執行を申し立てる
権利・義務とは
権利とは何らかの利益を受けられる資格、義務とは何かをしなければならない負担のことです。権利と義務は、互いに対になる概念として理解されています。
権利とは
「権利」とは、何らかの利益を請求・主張・享受することができる法律上の権能のことです。
例えばXが土地を所有している場合、Xはその土地について「所有権」という権利を有します。Xは所有権に基づき、その土地を自分で使ったり、他人に貸したり、売却したりするなどの利益を得ることができます。
義務とは
「義務」とは、相手に対して何らかの行為をしなければならない法律上の拘束や負担のことです。
例えばXがYからお金を借りた場合、XはYに対して借りたお金を返す義務を負います。義務を果たさないと、相手に対して損害賠償などの法的責任を負う可能性があります。
私法における権利・義務
市民の間の法律関係についてルールを定めた法律を「私法」といいます。
私法においては、権利と義務はセットとして捉えることができます。なお、私法上の権利には「クリーン・ハンズの原則」が適用され、不当な権利行使は認められません。
私法上の権利と義務はセット
私法上の権利と義務はセットであり、権利が生じる場合は、誰かがそれに対応する義務を負うことになります。
例えばYがXにお金を貸した場合、YはXに対してお金を返すよう請求する権利を有する一方で、XはYに対して借りたお金を返す義務を負います。
XがYの知的財産権を侵害した場合には、YはXに対して損害賠償などを請求できる一方で、XはYに対して損害賠償の支払いなどをする義務を負います。
このように、私法上の権利と義務を考える際には、両者の対応関係を意識しましょう。
クリーン・ハンズの原則とは
私法上の権利の行使には「クリーン・ハンズの原則」が適用されます。
「クリーン・ハンズの原則」とは、不誠実な行為により取得した権利を主張したり、不誠実な行為によって相手方の利益を妨げたりすることを許容しないという原則です。
形式的には権利を有する場合であっても、クリーン・ハンズの原則に反するような権利行使は、信義則違反(民法1条2項)や権利濫用(同条3項)などを理由に無効とされることがあります。
憲法における権利・義務
日本の最高法規である「日本国憲法」においては、以下のような国民の権利および義務が定められています。
憲法における権利・義務
<権利>
・幸福追求権(13条)
・法の下の平等(平等権。14条)
・参政権(15条)
・請願権(16条)
・公務員の不法行為に対する損害賠償請求権(17条)
・奴隷的拘束を受けない権利(18条)
・思想および良心の自由(19条)
・信教の自由(20条)
・集会、結社および表現の自由(21条)
・居住、移転、職業選択の自由(22条1項)
・外国に移住し、または国籍を離脱する自由(同条2項)
・学問の自由(23条)
・生存権(25条)
・教育を受ける権利(26条1項)
・勤労の権利(27条)
・勤労者の団体行動権(28条)
・財産権(29条)
・生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられない権利(31条)
・裁判を受ける権利(32条)
・現行犯を除き、令状なく逮捕されない権利(33条)
・弁護人に依頼する権利(34条)
・住居、書類、所持品を侵されない権利(35条)
・刑事事件について、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利(37条)
・自己に不利益な供述を強要されない権利(38条)
・実行の時に適法であった行為または既に無罪とされた行為について、刑事上の責任を問われない権利
・抑留または拘禁された後で無罪の裁判を受けた場合に、国に対して補償を求める権利(40条)
など
<義務>
・保護する子女に教育を受けさせる義務(26条2項)
・勤労の義務(27条1項)
・納税の義務(30条)
憲法に基づく国民の権利および義務は、国家との関係で問題となります。
私人間の法律関係において、憲法上の権利・義務が直接適用されることはありません。ただし、憲法の規定の趣旨を私法の一般条項の解釈・適用に反映させることは認められると解されています(=間接適用説)。
私法上の権利の種類
個人同士・個人と法人・法人同士など、私人間の法律関係において問題となる権利には、主に以下の種類があります。
① 財産権
(a) 物権
・所有権
・占有権
・用益物権|地上権、永小作権、地役権、入会権
・担保物権|留置権、先取特権、質権、抵当権、非典型担保
(b) 債権
・特定物債権、種類債権
・金銭債権
・選択債権
など
(c) 知的財産権
・特許権
・実用新案権
・商標権
・意匠権
・著作権
など
② 人格権
・名誉権
・肖像権
・著作者人格権
財産権
「財産権」とは、財産を目的とする権利です。「物権」「債権」「知的財産権」などが財産権に当たります。
物権
「物権」とは、物を直接的に支配する権利です。物権は以下のように分類されます。
物権の種類
・所有権
→法令の制限内において、自由に物を使用・収益・処分できる権利です(民法206条)。
・占有権
→自分のために物を所持する権利です(民法180条)。
・用益物権|地上権・永小作権・地役権・入会権
→他人の土地を一定の目的のために使用・収益する権利です。
・担保物権|留置権・先取特権・質権・抵当権・非典型担保
→債権を保全するために設定される権利です。債務不履行が生じた場合には、担保物権を実行し、差押えや競売などによって債権を回収することができます。
債権
「債権」とは、他人に対して何らかの行為を請求する権利です。以下などが債権に当たります。
債権の種類
・特定物債権、種類債権
→物の引渡しを受ける権利です。例えば、売買契約の目的物を受け取る権利は特定物債権または種類債権に当たります。
物が特定されていれば特定物債権、特定されておらず種類や数量だけが決まっている場合は種類債権となります。
・金銭債権
→金銭の支払いを受ける権利です。例えば、貸金返還請求権や損害賠償請求権などは金銭債権に当たります。
・選択債権
→相手から受け取るものを選べる権利です。例えば「100万円か金のネックレスのどちらかをもらえる権利」は選択債権に当たります。
ムートン
債権・債務の関係などは、権利・義務としてイメージしやすいですね。
知的財産権
「知的財産権」とは、知的創造活動によって生み出された無体物を保護するため、その創出者に与えられる権利です。以下などが知的財産権に当たります。
知的財産権の種類
・特許権
→発明を独占的に利用する権利です。
・実用新案権
→発明に至らない技術的な創作を独占的に利用する権利です。
・商標権
→商品やサービスを表す名称、ロゴ、マークなどを保護する権利です。
・意匠権
→デザインを保護する権利です。
・著作権
→文芸、学術、美術、音楽の範囲に属する著作物を独占的に利用する権利です。
人格権
「人格権」とは、人の人格に基づいて発生する権利です。財産権は原則として他人に譲渡できますが、人格権は譲渡することができず、本人に一身専属するという特徴があります。
人格権の具体例としては、以下などが挙げられます。
人格権の種類
・名誉権
→社会的評価を不当に低下させられない権利です。
・肖像権
→容貌や姿を勝手に撮影されたり、撮影された写真や動画などを勝手に公表されたりしない権利です。
・著作者人格権
→著作物について認められた人格権です。公表権・氏名表示権・同一性保持権の3つが含まれます。
権利・義務の主な発生原因
私法上の権利および義務は、主に以下の原因によって発生します。
① 契約
② 事務管理
③ 不当利得
④ 不法行為
⑤ 親族関係
⑥ 知的財産の創出
契約
「契約」とは、法的に保護される約束をいいます。契約当事者は原則として、契約の定めに従って権利を取得し、義務を負います。
例えば売買契約を締結した場合、売主は買主に対して目的物を引き渡す義務を負う反面、代金の支払いを請求できる権利を取得します。
買主は売主に対して代金を支払う義務を負う反面、目的物の引渡しを請求する権利を取得します。
事務管理
「事務管理」とは、義務なく他人のために事務の管理を行うことをいいます(民法697条以下)。
事務管理には、契約である「委任」の規定が準用されます(民法701条)。
管理者(=事務管理をした者)は本人に対して、事務処理の状況・経過・結果を報告する義務や、事務処理に当たって受け取った物を引き渡す義務などを負います。
その反面、管理者が本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対してその償還を請求することができます(民法702条)。
不当利得
「不当利得」とは、法律上の原因なく利益を受け、そのために他人の損失を及ぼすことをいいます。
不当利得を得た者は、それによって損失を被った者に対して、その利益を返還する義務を負います(民法703条)。
例えば、XがYの時計を勝手に売却して50万円を得た場合、XはYに対して50万円を返還しなければなりません。反対に、YはXに対して50万円の支払いを請求する権利を有します。
なお、受益者が悪意である場合は、利益の元本に加えて利息や損害賠償も支払う義務を負います(民法704条)。
不法行為
「不法行為」とは、故意または過失によって、他人の権利または法律上保護される利益を侵害する行為をいいます。
不法行為によって他人に損害を与えた者は、被害者に生じた損害を賠償する義務を負います(民法709条)。
例えば、XがYの時計を誤って壊し、修理費として10万円がかかった場合には、XはYに対して10万円の損害賠償を支払わなければなりません。反対に、YはXに対して10万円の損害賠償を請求する権利を有します。
親族関係
権利および義務は、親族関係に基づいて生じることもあります。
親族関係に基づいて生じる権利および義務としては、以下の例が挙げられます。
親族関係に基づいて生じる権利・義務の例
・婚姻費用の分担請求権、分担義務(民法760条)
・夫婦の日常の家事に関する債務の連帯責任(民法761条)
・親権(民法820条~824条)
・扶養請求権、扶養義務(民法877条)
・相続権(民法887条・889条)
など
知的財産の創出
知的財産を創出した者には、知的財産権またはその登録を受ける権利が与えられます。
著作権など、登録を要しない「無方式主義」の知的財産権は、知的財産の創出と同時に発生します。
これに対して、特許権・実用新案権・商標権・意匠権など、登録を要する「方式主義」の知的財産権は、法律上要求されている登録がなされた時点で発生します。
知的財産権が発生した場合には、権利者は原則として、その知的財産を独占的に利用できます。他方で権利者以外の者は、その知的財産を権利者に無断で利用してはならない義務を負うことになります。
義務を強制的に履行させる手続き
契約上の義務や損害賠償責任などが果たされない場合には、債務名義を取得した後に強制執行を申し立てることにより、強制的に義務を履行させることができます。
債務名義を取得する
「債務名義」とは、強制執行の申立てに必要な公文書をいいます。強制執行を申し立てる際には、事前に債務名義を取得しなければなりません。
債務名義に当たるのは、例えば以下のような公文書です(民事執行法22条)。
債務名義の例
・確定判決
・仮執行宣言付判決
・仮差押命令、仮処分命令
・仮執行宣言付支払督促
・強制執行認諾文言が記載された公正証書(執行証書)
・和解調書
・認諾調書
・調停調書
・審判書
など
強制執行を申し立てる
債務名義を取得したら、その正本に執行文の付与を受けた上で、裁判所に提出して強制執行を申し立てます。執行文は、執行証書を除く債務名義については裁判所書記官、執行証書については公証人が付与します(民事執行法26条1項)。
ただし、仮執行宣言付支払督促など一部の債務名義については、例外的に執行文の付与が不要とされています(同法25条但し書き)。
強制執行の申立てに当たっては、差し押さえるべき債務者の財産(動産執行の場合はその場所)を特定しなければなりません。強制執行の手続きを通じて、対象財産が差し押さえられた後、債権者への引渡しや換価・処分などによって強制的に義務が実現されます。
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「権利」とは、何らかの利益を請求・主張・享受することができる法律上の権能をいいます。
「義務」とは、相手に対して何らかの行為をしなければならない法律上の拘束や負担をいいます。
私法における権利は、私人間など対等な者同士の間に生じる権利です。「物権」「債権」「知的財産権」「人格権」などに分かれます。
権利が生じる場合は、誰かがそれに対応する義務を負うことになります。
権利・義務の主な発生原因としては、契約・事務管理・不当利得・不法行為・親族関係・知的財産の創出などが挙げられます。
義務を履行しない者に対しては、権利者が債務名義を取得した上で強制執行を申し立てることにより、強制的に義務を履行させることができます。
この記事では権利と義務について、対応関係・種類・発生原因・強制的に義務を履行させる方法など解説します。
ヒー
「権利と義務はセット」とよく言われますよね、どういう意味でしょうか?
ムートン
例えば、契約などによって自己の権利を設定した場合、それに対応する義務が相手方に発生する、ということが想定されます。具体的に解説していきましょう。
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※この記事は、2024年9月13日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
目次
権利・義務とは
権利とは
義務とは
私法における権利・義務
私法上の権利と義務はセット
クリーン・ハンズの原則とは
憲法における権利・義務
私法上の権利の種類
財産権
人格権
権利・義務の主な発生原因
契約
事務管理
不当利得
不法行為
親族関係
知的財産の創出
義務を強制的に履行させる手続き
債務名義を取得する
強制執行を申し立てる
権利・義務とは
権利とは何らかの利益を受けられる資格、義務とは何かをしなければならない負担のことです。権利と義務は、互いに対になる概念として理解されています。
権利とは
「権利」とは、何らかの利益を請求・主張・享受することができる法律上の権能のことです。
例えばXが土地を所有している場合、Xはその土地について「所有権」という権利を有します。Xは所有権に基づき、その土地を自分で使ったり、他人に貸したり、売却したりするなどの利益を得ることができます。
義務とは
「義務」とは、相手に対して何らかの行為をしなければならない法律上の拘束や負担のことです。
例えばXがYからお金を借りた場合、XはYに対して借りたお金を返す義務を負います。義務を果たさないと、相手に対して損害賠償などの法的責任を負う可能性があります。
私法における権利・義務
市民の間の法律関係についてルールを定めた法律を「私法」といいます。
私法においては、権利と義務はセットとして捉えることができます。なお、私法上の権利には「クリーン・ハンズの原則」が適用され、不当な権利行使は認められません。
私法上の権利と義務はセット
私法上の権利と義務はセットであり、権利が生じる場合は、誰かがそれに対応する義務を負うことになります。
例えばYがXにお金を貸した場合、YはXに対してお金を返すよう請求する権利を有する一方で、XはYに対して借りたお金を返す義務を負います。
XがYの知的財産権を侵害した場合には、YはXに対して損害賠償などを請求できる一方で、XはYに対して損害賠償の支払いなどをする義務を負います。
このように、私法上の権利と義務を考える際には、両者の対応関係を意識しましょう。
クリーン・ハンズの原則とは
私法上の権利の行使には「クリーン・ハンズの原則」が適用されます。
「クリーン・ハンズの原則」とは、不誠実な行為により取得した権利を主張したり、不誠実な行為によって相手方の利益を妨げたりすることを許容しないという原則です。
形式的には権利を有する場合であっても、クリーン・ハンズの原則に反するような権利行使は、信義則違反(民法1条2項)や権利濫用(同条3項)などを理由に無効とされることがあります。
憲法における権利・義務
日本の最高法規である「日本国憲法」においては、以下のような国民の権利および義務が定められています。
憲法における権利・義務
<権利>
・幸福追求権(13条)
・法の下の平等(平等権。14条)
・参政権(15条)
・請願権(16条)
・公務員の不法行為に対する損害賠償請求権(17条)
・奴隷的拘束を受けない権利(18条)
・思想および良心の自由(19条)
・信教の自由(20条)
・集会、結社および表現の自由(21条)
・居住、移転、職業選択の自由(22条1項)
・外国に移住し、または国籍を離脱する自由(同条2項)
・学問の自由(23条)
・生存権(25条)
・教育を受ける権利(26条1項)
・勤労の権利(27条)
・勤労者の団体行動権(28条)
・財産権(29条)
・生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられない権利(31条)
・裁判を受ける権利(32条)
・現行犯を除き、令状なく逮捕されない権利(33条)
・弁護人に依頼する権利(34条)
・住居、書類、所持品を侵されない権利(35条)
・刑事事件について、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利(37条)
・自己に不利益な供述を強要されない権利(38条)
・実行の時に適法であった行為または既に無罪とされた行為について、刑事上の責任を問われない権利
・抑留または拘禁された後で無罪の裁判を受けた場合に、国に対して補償を求める権利(40条)
など
<義務>
・保護する子女に教育を受けさせる義務(26条2項)
・勤労の義務(27条1項)
・納税の義務(30条)
憲法に基づく国民の権利および義務は、国家との関係で問題となります。
私人間の法律関係において、憲法上の権利・義務が直接適用されることはありません。ただし、憲法の規定の趣旨を私法の一般条項の解釈・適用に反映させることは認められると解されています(=間接適用説)。
私法上の権利の種類
個人同士・個人と法人・法人同士など、私人間の法律関係において問題となる権利には、主に以下の種類があります。
① 財産権
(a) 物権
・所有権
・占有権
・用益物権|地上権、永小作権、地役権、入会権
・担保物権|留置権、先取特権、質権、抵当権、非典型担保
(b) 債権
・特定物債権、種類債権
・金銭債権
・選択債権
など
(c) 知的財産権
・特許権
・実用新案権
・商標権
・意匠権
・著作権
など
② 人格権
・名誉権
・肖像権
・著作者人格権
財産権
「財産権」とは、財産を目的とする権利です。「物権」「債権」「知的財産権」などが財産権に当たります。
物権
「物権」とは、物を直接的に支配する権利です。物権は以下のように分類されます。
物権の種類
・所有権
→法令の制限内において、自由に物を使用・収益・処分できる権利です(民法206条)。
・占有権
→自分のために物を所持する権利です(民法180条)。
・用益物権|地上権・永小作権・地役権・入会権
→他人の土地を一定の目的のために使用・収益する権利です。
・担保物権|留置権・先取特権・質権・抵当権・非典型担保
→債権を保全するために設定される権利です。債務不履行が生じた場合には、担保物権を実行し、差押えや競売などによって債権を回収することができます。
債権
「債権」とは、他人に対して何らかの行為を請求する権利です。以下などが債権に当たります。
債権の種類
・特定物債権、種類債権
→物の引渡しを受ける権利です。例えば、売買契約の目的物を受け取る権利は特定物債権または種類債権に当たります。
物が特定されていれば特定物債権、特定されておらず種類や数量だけが決まっている場合は種類債権となります。
・金銭債権
→金銭の支払いを受ける権利です。例えば、貸金返還請求権や損害賠償請求権などは金銭債権に当たります。
・選択債権
→相手から受け取るものを選べる権利です。例えば「100万円か金のネックレスのどちらかをもらえる権利」は選択債権に当たります。
ムートン
債権・債務の関係などは、権利・義務としてイメージしやすいですね。
知的財産権
「知的財産権」とは、知的創造活動によって生み出された無体物を保護するため、その創出者に与えられる権利です。以下などが知的財産権に当たります。
知的財産権の種類
・特許権
→発明を独占的に利用する権利です。
・実用新案権
→発明に至らない技術的な創作を独占的に利用する権利です。
・商標権
→商品やサービスを表す名称、ロゴ、マークなどを保護する権利です。
・意匠権
→デザインを保護する権利です。
・著作権
→文芸、学術、美術、音楽の範囲に属する著作物を独占的に利用する権利です。
人格権
「人格権」とは、人の人格に基づいて発生する権利です。財産権は原則として他人に譲渡できますが、人格権は譲渡することができず、本人に一身専属するという特徴があります。
人格権の具体例としては、以下などが挙げられます。
人格権の種類
・名誉権
→社会的評価を不当に低下させられない権利です。
・肖像権
→容貌や姿を勝手に撮影されたり、撮影された写真や動画などを勝手に公表されたりしない権利です。
・著作者人格権
→著作物について認められた人格権です。公表権・氏名表示権・同一性保持権の3つが含まれます。
権利・義務の主な発生原因
私法上の権利および義務は、主に以下の原因によって発生します。
① 契約
② 事務管理
③ 不当利得
④ 不法行為
⑤ 親族関係
⑥ 知的財産の創出
契約
「契約」とは、法的に保護される約束をいいます。契約当事者は原則として、契約の定めに従って権利を取得し、義務を負います。
例えば売買契約を締結した場合、売主は買主に対して目的物を引き渡す義務を負う反面、代金の支払いを請求できる権利を取得します。
買主は売主に対して代金を支払う義務を負う反面、目的物の引渡しを請求する権利を取得します。
事務管理
「事務管理」とは、義務なく他人のために事務の管理を行うことをいいます(民法697条以下)。
事務管理には、契約である「委任」の規定が準用されます(民法701条)。
管理者(=事務管理をした者)は本人に対して、事務処理の状況・経過・結果を報告する義務や、事務処理に当たって受け取った物を引き渡す義務などを負います。
その反面、管理者が本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対してその償還を請求することができます(民法702条)。
不当利得
「不当利得」とは、法律上の原因なく利益を受け、そのために他人の損失を及ぼすことをいいます。
不当利得を得た者は、それによって損失を被った者に対して、その利益を返還する義務を負います(民法703条)。
例えば、XがYの時計を勝手に売却して50万円を得た場合、XはYに対して50万円を返還しなければなりません。反対に、YはXに対して50万円の支払いを請求する権利を有します。
なお、受益者が悪意である場合は、利益の元本に加えて利息や損害賠償も支払う義務を負います(民法704条)。
不法行為
「不法行為」とは、故意または過失によって、他人の権利または法律上保護される利益を侵害する行為をいいます。
不法行為によって他人に損害を与えた者は、被害者に生じた損害を賠償する義務を負います(民法709条)。
例えば、XがYの時計を誤って壊し、修理費として10万円がかかった場合には、XはYに対して10万円の損害賠償を支払わなければなりません。反対に、YはXに対して10万円の損害賠償を請求する権利を有します。
親族関係
権利および義務は、親族関係に基づいて生じることもあります。
親族関係に基づいて生じる権利および義務としては、以下の例が挙げられます。
親族関係に基づいて生じる権利・義務の例
・婚姻費用の分担請求権、分担義務(民法760条)
・夫婦の日常の家事に関する債務の連帯責任(民法761条)
・親権(民法820条~824条)
・扶養請求権、扶養義務(民法877条)
・相続権(民法887条・889条)
など
知的財産の創出
知的財産を創出した者には、知的財産権またはその登録を受ける権利が与えられます。
著作権など、登録を要しない「無方式主義」の知的財産権は、知的財産の創出と同時に発生します。
これに対して、特許権・実用新案権・商標権・意匠権など、登録を要する「方式主義」の知的財産権は、法律上要求されている登録がなされた時点で発生します。
知的財産権が発生した場合には、権利者は原則として、その知的財産を独占的に利用できます。他方で権利者以外の者は、その知的財産を権利者に無断で利用してはならない義務を負うことになります。
義務を強制的に履行させる手続き
契約上の義務や損害賠償責任などが果たされない場合には、債務名義を取得した後に強制執行を申し立てることにより、強制的に義務を履行させることができます。
債務名義を取得する
「債務名義」とは、強制執行の申立てに必要な公文書をいいます。強制執行を申し立てる際には、事前に債務名義を取得しなければなりません。
債務名義に当たるのは、例えば以下のような公文書です(民事執行法22条)。
債務名義の例
・確定判決
・仮執行宣言付判決
・仮差押命令、仮処分命令
・仮執行宣言付支払督促
・強制執行認諾文言が記載された公正証書(執行証書)
・和解調書
・認諾調書
・調停調書
・審判書
など
強制執行を申し立てる
債務名義を取得したら、その正本に執行文の付与を受けた上で、裁判所に提出して強制執行を申し立てます。執行文は、執行証書を除く債務名義については裁判所書記官、執行証書については公証人が付与します(民事執行法26条1項)。
ただし、仮執行宣言付支払督促など一部の債務名義については、例外的に執行文の付与が不要とされています(同法25条但し書き)。
強制執行の申立てに当たっては、差し押さえるべき債務者の財産(動産執行の場合はその場所)を特定しなければなりません。強制執行の手続きを通じて、対象財産が差し押さえられた後、債権者への引渡しや換価・処分などによって強制的に義務が実現されます。
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