50代、早期退職もありかな、と考えている方は

定年まであと数年、というところで「このまま今の働き方を続けるのが正解なのだろうか?」と足が止まる…。ここ数年、そんな内容のご相談をお受けする機会が増えました。
なかでも多いのが、「老後資金の目途が立つようであれば早期退職したいけれど、いまの資産でできるものかどうか、プロに客観的に見てほしい」というご相談です。定年が延び、再雇用、転職、独立、少し働いて少し休むという選び方まで、道が増えました。
選択肢が広がったぶん、迷いも大きくなっているのだと感じます。この迷い自体は悪いものではありませんが、ただ選ぶ順番を間違えてほしくないと思います。
働き方を決めてから老後資金を考えるのではなく、老後資金の輪郭をつかんでから働き方を決める。これが逆になると、どこかで歯車が狂う可能性が出てきます。
働き方が広がるほど、迷いも増える
ご相談をお受けしていて感じることですが、ご本人が思っている「やめたい理由」と、数字の上での「やめられる条件」は、多くのケースでギャップがあります。
近年では資産運用や投資が身近になり、働くことによる給料だけに頼らない収入も必要だと考える方が増えました。コロナ禍を機に「自分らしい生き方」について考える人が増えたのかな、とも感じています。
資金のことさえクリアになるなら、思い切って現在の仕事をやめ、自分なりのペースで働きながら好きなこともして暮らしたい。そうしたご要望は個別相談でよくお伺いします。私たちは「不安」や「心配」以上に、こんなふうに前向きに考えるきっかけとしての「お金」のご相談をいただける存在でありたいと思っています。
一方で、こんなお声も届きます。弊社のセミナーに参加された50代後半の女性(既婚・主婦)は、「もうすぐ主人が退職するので、退職金も含めてお金のことを優先して考えなきゃと思いながらも、日常に追われてそのままになっていました」とおっしゃっていました。
考えなければいけないと分かっているのに、それでも後回しになる。責めるつもりは全くありません。ただ、働き方の選択肢が増えた時代では、この「そのまま」でいることが実はいちばん怖いのです。
「足りなければ働けばいい」の落とし穴
ここでひとつ、お伝えしておきたいことがあります。「もしお金が足りなくなったら、また働けばいい」という考え方だけに寄りかかるのは、私はお勧めしません。
50代からの再就職は、想像している以上に厳しいのが現実です。条件に合う求人が少なかったり、これまでの年収と大きな開きがあったり。専門的なスキルをお持ちでも、年齢を理由に書類選考で足切りされてしまうケースもあります。
見落とされやすいのが、心理面のハードルです。一度仕事から離れてゆったりした生活リズムに慣れると、再び働く自分に戻るのは想像以上にエネルギーがいります。年下の上司から指示を受ける場面も増え、これまでのキャリアがあるからこそ割り切れず、長続きしないケースも少なくありません。
弊社が個別相談やセミナーでお伺いした内容をまとめた当社調べでは、「退職後に後悔したこと・やっておけばよかったこと」の第1位は退職後の資産形成、第3位は投資知識の習得でした。悔やまれるのは辞め方そのものより、辞める前の準備なのだと思います。
だからこそ、働くことは老後資金の「補い」にはなっても、「全ての答え」にはなりません。働き続ける前提だけで資金計画を組むと、体調やご家族の事情でその前提が崩れたとき、打つ手がなくなってしまうからです。
早期退職を考えるときに見ておきたい論点は、弊社サイトでも整理しています。詳しくはこちらをご覧ください(https://www.universal-fp.com/column/2483/)。
まずはお金を三つに色分けする
では何から手をつけるか?そこで私が最初にご案内するのは、お金の棚卸しです。
おすすめしているのが、手元の資金を役割ごとに三つの色に分ける整理です。三つの色分けとは、数年以内に使う予定の「生活資金」、病気や冠婚葬祭に備える「守る資金」、当面は使う予定のない「増やす資金」に分類する方法のことです。
ひとまとめにしていると、急な出費のたびに「老後の分が減ってしまった」と不安になりがちですよね。色を分けると、いま使っていいお金の範囲がはっきりします。「これは将来のための分だから触らない」という境界線が引けるだけで、家計の管理はぐっとシンプルになります。
以前、将来に漠然と不安を抱いていた40代の女性に、今すぐ必要なお金と当分使わないお金を仕分けして、預け方を変えるアドバイスをしたことがあります。手元の金額が増えたわけでもありません。それでも「不安がなくなった」と喜んでいただけました。
不安の正体は、金額の大きさよりも「わからなさ」にあることが多いものです。色分けは、その「わからなさ」を減らしていく作業でもあります。
この色分けは、働き方を考えるときにも役立ってきます。生活資金がどこまで持つのかが見えていれば、「あと何年、どのくらいの収入で働けばよいのか」という問いに、具体的な数字で答えられるようになるからです。
100歳までの表で家計の底を知る
色分けができたら、次は時間軸を伸ばします。100歳までのキャッシュフロー表を作り、家計の「底」を確認してみてください。家計の底とは、一生のうちで手元の資産がいちばん少なくなる時点のことです。
退職後の生活設計をお聞きすると、65歳からの10年ぐらいの予定は話されるのですが、その先はというと……イメージできず、不安を抱えている方が多いのです。ゴールの見えないマラソンのようなもので、それでは疲れてしまいますよね。
表を作るときに小さく見積もりすぎないでいただきたいのが、退職後の社会保険料や住民税です。会社員の間は給与から天引きされていたので実感しにくいのですが、いざ自分で納める段になると、金額の大きさに驚かれる方がいらっしゃいます。
もうひとつが、退職してから年金の受給が始まるまでの「空白の期間」です。ここを「なんとかなるだろう」と曖昧にしたまま辞めてしまうと、減っていく残高に恐怖を感じ、せっかくの自由な時間を楽しめなくなってしまいます。
当社調べの「退職後の不安ベスト5」でも、生活資金が足りなくなること、医療・介護面の費用が生活を圧迫すること、物価の上昇などで生活費がかさむことが上位に並びました。いずれも、表にしてみると「いつ表面化するのか」が見えてくるものばかりです。
その他にも、定年間近の方からよくいただくご質問は、こちらにもまとめています(https://www.universal-fp.com/about/type/limit/)。
早く動くほど、時間が味方になります
ここまで読んで「まだ先の話」と思われた方にこそ、お伝えしたいことがあります。
男性より長生きする傾向のある女性のマネープランは、とりわけ時間を味方につけることが大切です。パートナーの死や介護といった不安を身近に感じる年齢になってからでは、もう新たな手立てはできません。まだまだ先のこと、と先送りするのは禁物です。
準備にかけられる期間が長いほど、選べる手立ての幅は広がります。逆に期間が短くなるほど選択肢は削られます。時間だけは、あとから買い戻せません。
もうひとつ。お金のことを全部ご自身でやろうとすると、どうしても主観が入ります。「たぶん大丈夫」「まだいける」という願望が、そのまま計画の前提になってしまう。だからこそ、一度は客観的な視点を通してほしいのです。
ファイナンシャルプランナーは、いわば“お金のホームドクター”だと私は思っています。弊社は担当者が変わらない専属制をとっており、資産運用の目標達成に向けて切れ目なくサポートいたします。
3月末に退職して再就職が決まらず、減っていく貯金に恐怖を感じていた50代後半の女性(未婚・教員)は、心配事を一つずつお話しいただき、ご自身に合ったマネープランをつくったことで「少し気持ちが楽になりました」とおっしゃっていました。数字が変わる前に、見通しが変わる。それが最初の一歩です。
働き方も働く期間も、これからますます多様になります。だからこそ老後資金は「働けばなんとかなる」で片づけず、いまの数字と向き合っておく。それが、迷ったときに自分で選べる自由につながります。
神戸市中央区の株式会社ユニバーサル財務総研では、女性のためのマネーセミナー「シアワセのマネーレシピ」と、あなただけのマネーレシピ「マネレピ」づくりを通じて、定年前後の資金計画をお手伝いしています。
マネレピとは、お一人おひとりのお話をとことん丁寧に伺って作る、一つとして同じもののない資産運用プランのことです。神戸・大阪で無料のマネーセミナーと無料個別相談を行っていますので、老後資金と働き方について、まずはお気軽にご相談ください(https://www.universal-fp.com/)。
まとめ
老後資金は、働くことで全部を埋めるものではなく、働き方を選ぶための土台だと私は思っています。数字の輪郭が見えた分だけ、これからの時間は自由になります。
・定年後も働くかどうかを、資金面から判断したい方
・早期退職や再雇用を検討していて、今の資産で足りるか客観的に見てほしい方
・退職金や年金の受け取り方を含めて、100歳までの見通しを立てたい方
ご相談・セミナーのお申込みはこちらから https://www.universal-fp.com/


