なぜきれいな字が書けない⁈ 必読! 初心者の第一歩:基本点画徹底マスター術
「心を込めて書いたはずなのに、どこか幼い印象になってしまう……」と悩む方は少なくありません。実は、私たちが書く文章の約7割は「ひらがな」で構成されています。つまり、ひらがなを大人らしく整えるだけで、文章全体の印象は劇的に洗練されます。
ひらがなは平安時代、漢字を崩して生まれた「流線形」の文字です。今回は、初級者の方が「丸文字」や「角ばった子供の字」を卒業し、品格のある大人のかなを綴るための秘訣を解説します。
1. しなやかな曲線と気脈:子供の「角書き」を卒業する
子供の書くひらがなは、一画ずつをカチカチと止めて書く「角張った字」になりがちです。また、反対に極端な「丸文字」も、文字の輪郭が膨らみすぎて幼い印象を与えます。
大人のかなに大切なのは、ペン先が紙から離れている間も、次の画へと見えない線がつながっている「気脈(きみゃく)」です。例えば「あ」や「め」を書く際、角を角張らせず、かといって漫然と丸くもせず、流れるような曲線で「受け流す」ように運筆します。このしなやかな筆勢が、文字に情緒的な深みを与えます。
2. 結びの引き締め:楕円と三角形で知性を出す
ひらがな特有の「結び(円を描く部分)」は、最も子供っぽさが出やすい難所です。
「め」や「ぬ」: 子供っぽい字は、結びを正円(まん丸)に大きく書きがちです。大人の字は、結びを「横に長い楕円」をイメージしてキュッと引き締めます。
「な」や「ま」: くるりと回す部分を小さめの「三角形」にまとめる意識を持つと、文字に芯が通り、知的な雰囲気が漂います。円を大きく書きすぎないことが、脱・子供っぽさの第一歩です。
3. 空間のコントロール:文字の「懐」を広く取る
子供の字は、一画が短かったり、文字の中心に線が密集して「窮屈」に見えることが多いものです。大人の字は、文字の中に豊かな「余白」を作ります。
「は」や「ほ」: 縦線と横線の交差する位置を意識し、文字の中に「広い懐(空間)」を確保します。
「つ」や「し」: 単純な一画の文字こそ、懐を深く、ゆったりと大きくカーブさせることで、余裕のある大人の表情になります。
4. 配置の黄金比:漢字との「サイズ差」でリズムを作る
文章全体を大人っぽく見せる最大のコツは、一文字の形よりも、漢字との「対比」にあります。
サイズ感: 漢字を「10」の大きさとすると、ひらがなは「8」くらいのサイズで控えめに書くのが理想です。
字形の変化: ひらがなには「縦長(し、り)」「横長(つ、め)」「小ぶり(に、と)」など、一文字ごとに固有の形があります。すべてを正方形の枠いっぱいに書こうとせず、文字本来の形を活かして書くことで、文章にリズムと品格が生まれます。
おわりに
大人のひらがなを綴るためには、子供のような「角」や「丸」を排し、しなやかな「曲線」と「引き締まった結び」、そして漢字との「サイズ差」を意識することが肝要です。まずは「ありがとうございます」といった日常の言葉から、一画の終末を丁寧に、流れるように払ってみてください。その丁寧な積み重ねが、あなたの手書き文字を、一生ものの温かく知的な美しさへと変えていくはずです。



