ペン字初級者が漢字を整えるコツ! 4つの法則で字を見違えさせる方法
「もっと綺麗な字を書きたい」そう思ったとき、初心者が最初に気にかかるのは「ペン選び」ではないでしょうか。文房具店に並ぶ無数のペンの中から、どれが自分の練習に適しているのかを判断するのは、実はプロでも迷うほど難しいものです。自分に合わないペンを使い続けることは、変な癖をつけてしまう原因にもなりかねません。
ペン字講師として多くの受講生を指導してきた経験から、書き心地が良くて、文字の構造を理解しやすく、お求めやすい価格のペンを厳選しました。これらは実際に私が使用しているものです。なおインクの色は関係ありません。
1. 文字の抑揚を学ぶなら:ゼブラ「サラサクリップ」
数あるジェルボールペンの中でも、ペン字の基礎を学ぶのに最適なのが「サラサクリップ」です。
どのような方に向いているか
「とめ・はね・はらい」をはっきり表現したい方
紙に吸い付くような、安定した書き心地を好む方
講師の視点:上達を助けるポイント
サラサクリップの魅力は、インクの出が非常に安定している点です。特に0.7mmや1.0mmといった太めの芯を使うと、ボールペンでありながら線の太細(強弱)をコントロールする感覚が身につきます。自分の筆跡がくっきりと残るため、線の重なりや空間の取り方を客観的にチェックするのに最も適した1本です。この「視認性の高さ」が、上達への近道となります。
2. 理想的な脱力を実現:ぺんてる「エナージェル」
次にご紹介するのは、驚異的な速乾性と滑らかさを誇る「エナージェル」です。
どのような方に向いているか
つい手に力が入りすぎて、手が疲れやすい方
淀みのない、スピード感のある線を書きたい方
講師の視点:上達を助けるポイント
ペン字初級者の多くは、筆圧が強すぎる傾向にあります。エナージェルはインクの摩擦抵抗が極めて低いため、軽く滑らせるだけで鮮やかな線が引けます。このペンを使うことで「力を抜いて書く(脱力)」のコツを掴みやすくなります。伸びやかでリラックスした線が書けるようになると、文字に「大人っぽさ」や「品」が加わります。
3. 失敗を恐れず練習できる:パイロット「フリクションボール」
消せるボールペンの代名詞「フリクションボール」も、練習用として非常に優秀です。
どのような方に向いているか
「書き損じ」を気にして、運筆が小さくなってしまう方
漢字のパーツ(偏とつくり)の配置をじっくり研究したい方
講師の視点:上達を助けるポイント
字が上達しない原因の一つに「慎重に書きすぎて線が震える」ことがあります。フリクションは「消せる」という安心感があるため、思い切った大きな運筆をサポートしてくれます。何度も配置を修正しながら理想の形を追求できるため、文字のバランス感覚を養うための「心強い味方」として活用することをおすすめします。練習用に是非どうぞ。
4. 万年筆のような豊かな表現力:ぺんてる「トラディオ・プラマン」
ボールペンから一歩踏み出し、表現の幅を広げてくれるのが「プラマン」です。
どのような方に向いているか
日常のメモではなく「作品」としての字を書きたい方
ペン先の角度による線の変化を楽しみたい方
講師の視点:上達を助けるポイント
プラスチック製のペン先が独特の「しなり」を持っています。このしなりを利用することで、毛筆や万年筆のような豊かな表情が生まれます。ペン先を立てる、寝かせるといった微細なコントロールが必要になるため、これを使うだけで指先の感覚が研ぎ澄まされ、繊細な文字が書けるようになります。
5. 筆圧コントロールの極致:ぺんてる「筆ペン 中字」
最後に、ペン字のステップアップとして「ぺんてる筆ペン(中字)」を挙げます。
どのような方に向いているか
ペンの軸の太さが性別を問わないちょうど良い太さ
本格的な美文字を目指し、筆圧の加減を極めたい方
ご祝儀袋や芳名録で、堂々とした字を書きたい方
講師の視点:上達を助けるポイント
ペン字初心者にも、ボールペン字に慣れてきた方にも、挑戦していただきたいのがこの筆ペンです。ナイロンの穂先は、ボールペン以上に指先の繊細な動きを要求します。筆ペンで「折れ」や「まがり」を綺麗に書けるようになると、不思議とボールペンを持った時の字も見違えるほど端正になります。中字タイプはひらがなにも漢字にも適しています。
番外編:愛すべき名作「パイロット G2」
さて、番外編としておすすめするのは「G2」です。
なぜ番外なのか?
世界的なスタンダードとして親しまれたこの名作が、現在、国内の一般ラインナップから姿を消しました。私はとても残念です!国内生産品を復活してほしい。だから番外にしています。
海外では今も絶大な支持を得ているG2ですが、あのどっしりとした独特の書き味、インクの粘り強さは、文字を一つひとつ「置いていく」ような丁寧な筆意を教えてくれました。もし文房具店の隅や海外で見かけることがあれば、ぜひ一度手に取ってみてください。その価値がわかるはずです。
まとめ:あなたを導く「最高の相棒」を見つけよう
初心者が最初に気にかかる「ペン選び」は、単なる道具探しではありません。それは、自分の書き癖と向き合い、理想の字へと導いてくれる相棒探しでもあります。
形を整えるなら「サラサクリップ」
脱力を学ぶなら「エナージェル」
配置を研究するなら「フリクションボール」
ニュアンスを出すなら「プラマン」
筆圧を極めるなら「筆ペン中字」
まずは1本、気になるものを手にとって、ゆっくりと紙の上を走らせてみてください。道具が変われば、意識が変わります。意識が変われば、あなたの字は必ず美しく変わっていきます。
おわりに
今回紹介した商品は現時点での私のおすすめするペンでした。ひとそれぞれで書き心地や使用感の好みは異なりますし、商品開発も進んでいますので、店舗での試し書きをおすすめします。
もし、自分に最適なペンがどれか迷ったり、具体的な使いこなし方を知りたくなったりしたときは、いつでもご相談ください。あなたの美文字への挑戦を、全力でサポートいたします。



