管理会社に主導権を握られたマンションの〈ガバナンス不全〉

ここで一度、管理組合の立場で考えてみてください。必要な工事に必要なお金を支出することに、異を唱える方はまずいないはずです。ところが、そのお金の一部がリベートとして抜き取られているとなったら、話は変わってきますよね。
私は以前から「工事を管理会社任せにするのは、自分の家の家計簿を他人任せにしているようなもの」とお伝えしてきましたが、今回の報道は、その危うさが表に出てきたものだと感じています。
修繕積立金は、住人の皆さんが毎月コツコツ積み立てた大切なお金です。それがリベートに使われている、しかも受け取っているのが管理を任せている管理会社だとなれば、金額の問題にとどまらず、倫理上の問題も出てくるのではないでしょうか。
ただでさえ、最近は材料費や人件費の上昇、職人さんの人手不足で、工事費は上がり続けています。そこにリベートまでかすめ取られると、マンションの維持そのものが難しくなってしまいます。
私は、修繕積立金の増額に耐えられないマンションが、今後かなりの確率で出てくると予想しています。そうなる前に手を打てるかどうかが、マンションの寿命を左右すると言っても言い過ぎではありません。


