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桜が咲いて

坂部智子

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雨の中、角を曲がるといきなり(ほぼ)満開の桜があった。

今日から4月だ。

先月末には父の三回忌も終わった。
丸二年が過ぎたのだ。
あれから、3月は一年で一番イヤな時期になってしまった。
まさか最後になるなんて思わないまま過ごした日々。
やっぱりまだ哀しみの方が大きくて、泣くのは苦しいしツライので、できるだけ思いださないようにしてしまう。
意識的に、強制的に、気をそらしてこの時期をやり過ごそうとしてしまう。
けっして忘れたくはないのに。

あえて思いださないようにしときながら、大事な最後の記憶がだんだん消えてしまうんじゃないかという恐怖にとらわれて、結果、去年よりもさらにココロはくたびれはててしまた・・・


「笑ろて生きなあかんな」
「けど・・・カナシイな・・・サビシイな・・・」

朝ドラ(あさが来た)で、旦那様を亡くした時の、初さんのセリフ。

大事な人を亡くした人は皆こんな想いを抱えて生きているのだな…

そして、今朝は信二郎さんが亡くなりはった。(朝ドラ)

大切な人たちに見守られ、皆に言葉をかけて、愛する妻の腕の中で、安らかに。

「おもてたこと全部言えてホッとした」

「いつもそばに居てるさかいな・・・」



それにしても、今回の朝ドラで一番印象に残ったのは、皆、家で、畳の上で、こんな風におだやかに最後を迎えているということだ。

少しずつ具合が悪くなって、動きがしんどそうになり、布団で横たわる時間が増え、それでも支えられて起き上がり、少し何か口にしたり、何よりいろんな話をする時間があり、その後、見守られながら言葉を掛け終えて、息をひきとる。

ドラマだから・・・というのはあるかもしれない。
しかし、昔はこれが当たり前だったというように、何度もそんな場面が描かれたのではとも思えた。

明治維新から40年ほど・・・だから、せいぜい150年〜100年前の話。
今の世では理想とされる終末が、家族の日常の中にあったのだ。
どうして今は、あんな風には死ねないのだろうかと、まじめに考え込んでいる。

医学や科学の進化によって、もちろん多大な恩恵を受けている。
しかし、もっとも原始的?根源的?な大切なモノを失くしてしまったのだ…


今の私、
仕事として介護に関わり、母の介護をし、自分自身、残りの人生を考える年になっている。

どう生きて、どう死ぬのか

考えても、空回り…


だけど…
桜が咲いて、ちょっとうれしい。

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