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坂部智子プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

2015節分

坂部智子

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毎年まいとし家で豆まきをしていた。
一人暮らしをしている時も、こういった季節行事には、必ず家に帰っていた。
帰ると、福豆がどっさり買ってあった。
高齢化?により、豆まきをすると、家族三人が歳の数だけ食べるほどは残らないので、年々袋数が増えていった。
イイトシをはるかに超えたムスメが「よろこぶから」と、父が買っていたのだ。
玄関だけでなく、どの部屋の窓からもいっぱい撒いた。(小さい声で)
去年は特に父の部屋からは、たくさんたくさん撒いたのに…

今年は、畑部のみいちゃんから、巻き寿司巻いたから…と、お裾分をいただいた。缶チューハイと小袋の福豆も入ってた。

テレビの前で、お行儀悪く巻き寿司をかじりかけて、でもやっぱり、正座し直して、方位磁石で西南西を測って、丸かじりした。
福豆は、缶チューハイのアテにつまみかけて、でもやっぱり、一掴み握って玄関から撒いた。「鬼は外」!
あとは全部「福は内」と言いながら食べた。

去年までとは違いすぎて、やっぱりさみしくて、哀しくなってる。
でも、それでも、一人でもこうやってしまうのが、そうしないとなんだか落ち着かない気がするというのが、これまでの「うちの節分」が染み付いてるんやなあ。
ささやかな、でもかけがえのない記憶が。

もういいかげん大丈夫やろ…と思っていたけど、こんな風な行事やらに触れると、父の死から、強がってとりつくろっているメッキが、簡単にハゲ落ちる。
落ち込んでいてもまだ仕方ないと一般的に思ってもらえる時期を過ぎた後にもいつまでも、どうこのココロを抱えてたらいいんやろう…

わからない。

朝、目が覚めて、今日もガンバロウと思うことで、ただ、それを積み重ねていくことで、いつの日か、この哀しみも、記憶の中に柔らかく取り込まれていくのかな。
そうなっていくのを、待ってる。

意識してるうちは、まだまだ…

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