2019年のルール改訂について

深田洋史

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テーマ:ルール

2019年のルール改訂について

先日、私が所属するNGF(日本ゴルフ財団)のルール講習会に参加してきました。
そこで講習があったのは、もちろん今年のルール改訂についてです。
今回は膨大な変更点があって、ここに全てを書くのは無理です(笑)
私たち専門家が聞いても難解なことも多く、また講義を受けるだけで8時間もかかるほどですから、ここに書いても却って皆さんを困惑させるだけかもしれません。
なので今回は、その趣旨と大まかなところだけを書いていくことにしますね。
(ただし、大まかに書いていきますので例外があったり、解釈の問題があるところは省いていきます。ここに書かれたことが全てだとは思わないでください。詳細はルールブックを精読してくださいね)

まず何故この時期にこれ程大きな改訂が行われたのか?ですが、一つにはルール改訂の歴史があります。
皆さんもご存知のように、コースは二つとして全く同じ条件のものはありません。
ですからプレーをしていて起こる問題も千差万別です。
その各々の問題を随時解決すべく、細かな改訂(小さくは2年に1度。中程度は4年に1度。大きくは8年に1度)が行われるわけですが、時間とともに矛盾が生じてきます。
そこで30年から40年に1度、今回のような大改訂が行われ、一気に矛盾を解消しよう!となるのです。
今回は35年ぶりの大改訂だそうです。
通常偶数年に行われる改訂が、今回に限って樹数年に行われたのは、言うまでもなく来年に東京オリンピックが控えているからです。
オリンピックの年に改訂を行ったのでは、運用等で問題が起こった時に対処ができません。
だから奇数年に改訂を行うのは異例でも、運用側とプレーヤー側になれる時間を作るために今年の改訂があったと思って間違いないでしょう。
では今回の大改訂のメインは何なんだ?となりますと、これは『プレーファスト(早い進行)』になると思います。
例えば『グリーン上で、ピンフラッグを挿したままプレーをしても良い』とか、『距離のみを測定する器具は使用を禁じない』とかは、明らかにプレーファストのための改訂でしょう。
考えられる一つの理由としては、やはりオリンピックでの放映時間の問題があるのではないでしょうか?
野球でも『7回制にしよう』とか、ラグビーでも時間のかかる15人制ではなく、回転の早い7人制が採用されているように、1984年のロスアンジェルス大会以来、商業化されたオリンピックではテレビの放映時間が大変重要視されるようになったからです。
野球で3時間くらい。ラグビーで1時間半くらい。マラソンでも2時間から3時間程度の放映時間ですが、ゴルフは18ホールズあり、選手も2人ないし3人ずつに分かれています。
さらに1ラウンドを5~6時間かけてプレーし、それが4日間に渡るのですからスポンサードするテレビ局としては、『もっと早く!もっとスムーズに!』となるのでしょうね。
また日本とゴルフの盛んなアメリカやヨーロッパでは時差が大きく、視聴者を捉まえる(視聴率の確保)が難しいという問題もあるでしょう。
30年から40年に1回の大改訂。オリンピック。この2つが重なって今回の台買い手になったのではないか?と推測されます。

では今回の改訂で変わったことですが、まず序文がなくなり、かつルールの前にかかれていた『エチケット』が本文中に横滑りする形で無くなりました。
例えば『公共の理念』という言葉もなくなりましたし、コースの保護という項目の中に合った『グリーンを傷つけない』というものは、『著しい非行』としてルール上失格の対象に変わったりしています。
これについては、つい最近ヨーロッパの選手がパターでグリーンを叩いて傷つけ(複数ホール)失格処分になったことは記憶に新しいですね?
しかしまた、ある選手がキャディーをプレーの線の後方に立たせたとして罰打を受けましたが、これはルールが完成後に『アドレスを解けば、罰を免れることもある』というグリーン上と同じ解釈に改められました。
このように、ルールというのは生き物です。
プレーされる皆さんは、必ずプレーヤーズ用でいいですから、ルールブックを携行するようにしてください。
それこそ『エチケット』としてですね(笑)
ルールブックを見てもなお分からない!という場合は、オーシャンゴルフアカデミーをお訪ねください。
詳しくご説明させて頂きますから。

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