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寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第6回 アプローチの距離感の出し方

2018年3月12日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:アプローチ

コラムカテゴリ:スクール・習い事

寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座 第6回
アプローチでの距離感の出し方①

先日来られた生徒さんから、アプローチの距離感が難しいから教えてほしいと言われました。
これは、いわばゴルファーの永遠のテーマと言っても過言ではないでしょう。
この方以外の方からも、数多く質問されるテーマであります。
スウィングの再現性が低い初心者はもちろん、上級者の方からも数多く質問されます。
(以下、生は生徒さん。私は私です。この方は珍しく、私のことをコーチと呼ばれます)

生『コーチ、アプローチの距離感を出すのは難しいですね。』
私『そうですね、コントロールショットというのは、フルショットより難しいです。』
生『どうしたら距離感が合うんでしょうか?』
私『はい、わかりました。今日はそのレッスンをしましょうか。』
私はシミュレーターを用意し、打ってもらいました。
私『まずフルショットしてみてください。まぁSWですから、フルショットといってもドライバーを振るようなことはないですけどね(笑)』
生『わかりました。』
5球ほど打ってもらって、平均は65~70ヤードでした。
私『だいたい65ヤードあたりといったところですね。では今度は半分の30ヤードを打ってみてください。』
生『はい。』
しかし何回打っても50ヤードかそれ以上飛んでしまいます。
生『上手くいかないです(;^_^A 』
私はそれには直接答えず、違うことを指示しました。
私『では今度は自分の中でアプローチの大きさはこれだ!というテイクバックで打ってみてください。大きさはどんなでも構いません。自分の中でこれだ!でいいですから。』
生『??? はぁ、まぁ打ってみますけど・・・』
生徒さん、何をするのか意図がつかめずキョトンとしています。
生『あっれえ~~?! なんで50飛んでまうんやろ?』
コントロールしたつもりなのに、先ほどと同じ飛距離が出てしまうことに顔じゅうが?マークです(笑)
私『それは慣性モーメントを分かっていないからです。自分ではハーフのつもりでも、実際には慣性モーメントでさらに上がってしまうのですよ。試しにフルショットの三分の一のスウィングの大きさで振ってみてください。』
生『はい・・・ありゃ? なんで32ヤードなんだ?え?20ヤードくらいだと思ってたのに・・・』
私『はい、それが上がりすぎている分なんです。三分の一の大きさのつもりでも、実際には半分の所まで上がるんですね。』
生『えっと、じゃあ結局距離のコントロールはどうしたら良くなるんですか?』
私『大事なのは自分の基準を決めることなんです。実は打ってもらう順序が逆になってしまったので、今から説明しますね。』
私は打席に立ってデモショットを打ちました。
私『今打ったショットは75ヤードです。今度も・・・73ヤード。ほぼ同じですね?』
生『はい。』
私『では次に『私のアプローチの基準』で打ってみます。』
3球打って、43・44・43ヤードでした。
私『これが私のアプローチの基準の距離なんです。皆さん練習場なんかで、50ヤードなら50ヤードの表示のある所に向けて50ヤードを打つ練習をしようとしますよね?』
生『はい。え?それ以外になんかあるんですか?』
私『今やってみせたことが答えですよ(笑) 50ヤードという基準に向かってスウィングを作るというのも一つの方法ですが、今みたいに『自分の基準』を作って、その基準がナンヤードなのか?をきっちり身につける方が、私は距離感を作るのにはやさしいと思います。誰かに押し付けられた基準に合わせるのではなく、自分だけの基準に合わせるのですから、やっていて無理がないんじゃないでしょうか?』
生徒さん、何となく釈然としない表情です。
私『さて、先ほど打って頂いた三分の一のショット。あれを基準にしてみましょうか。だいたい30ヤードでしたね?』
生『それくらいでした。』
私『もう一度試してみてください。』
生徒さんに何球か打ってもらいました。
生『えぇ・・・?? ずっと30ヤード前後や・・・ なんで?』
私『それが貴方にとって再現しやすいスウィングの大きさ、つまり『貴方のアプローチの基準の大きさ』になったからです。何ヤード打とうと思って打つと、1回ずつスウィングを調整する動きが入りますが、自分の基準だと自動的にその大きさに、体が勝手に調整してくれるのです。だって『自分の基準』ですから、体だって楽にやれますよね?(笑)』
生『いやぁ・・・なんかわけわかりませんわ。いや、上手くいってるんやから、コーチの言うてることが合ってるんやろう・・・とは思います。けど、なんかよう分かりませんわ。』
結局、この方レッスン時間が終わるまで納得はできなかったようです。
これは分かるように説明できなかった私の責任ですね。
だって『できないからお金を払って習いに来ている』わけですから、その治療の責任は生徒さんにではなく、教える側にあるからです。
ただ、理屈は納得できなくても、『距離感の合わせ方』の方法論については満足していただけました。

まとめ
アプローチでの距離感の出し方①

フルショットの距離を把握する。
自分の中で『これがアプローチの大きさ』とい基準を作る。
実際に打ってみて、どれくらいの距離が出るのか?を把握する。
その時に『慣性モーメント』の影響を考えに入れ、ハーフのつもりならスリークォーターに。三分の一のつもりでハーフくらいになることを頭に入れておく。
『この距離を打つ』練習をするのではなく、『自分の距離はこれくらい』と分かった上で、その距離を打てるような練習をする。
自分の距離がおおよそ確定できたら、スウィングの大きさを変えて距離を変えてみる。

いかがでしたでしょうか?
お役に立ちましたかお役に立ちましたか?
次回からはしばらくの間、生徒さんのラウンドレッスンでのスウィングを分析していきます。
いろんなスウィングがあって楽しいですよ(笑)

この記事を書いたプロ

深田洋史

ゴルフレッスン&クラフトのプロ

深田洋史(Craftsman Golf Shop Ocean CLUB)

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