海外調達で起こること 1 < クーリエの国内配達 >
不具合品の後始末
輸入した部品が不良だったときの対処方法を考えます。
いわゆる部品クレームは、相手が海外企業である以外はすべきことは変わりません。
いま一度おおまかな流れを理解してた上で進めていきましょう。
「a.交換処理」と「b.費用処理(いわゆる赤伝処理)」
b.費用処理 | a.交換処理 | 説明 | |
---|---|---|---|
完了までの時間 | 短 | 長 | 部品の往復に時間がかかる |
手続き | 少 | 多 | 輸出文書の作成、輸入手続き |
付帯費用など | 発生 | 発生 | 送料負担の交渉と輸入消費税 |
やり取りの第一歩目は、部品不良のレポート作成です。
レポートのポイント
・いつ購入したか・・注文番号(PO番号)やInvoice番号など
・不具合内容 ・・日本語でいいので手を抜かずしっかり書くこと
加工品は不良部分の拡大写真が効果的
※自動翻訳ソフトを利用して翻訳し、それをcopy&貼り付けすればOK
b.費用処理
Debit Note(赤伝)を発行してもらいます。
部品代金を(不良品分)を送金手数料相手負担で返金させます。
ただし不良品分の輸入消費税は還付されません。
a.交換処理
交換部品の場合は、その送料ををどちらが負担するかしっかり協議します。
方法1.良品の受取りのみ(次回発注分との同発が望ましい)
方法2.全数交換(REPLACE)
交換の場合は、面倒な手続きが片道分で済む方法1がお薦めです。
方法1 交換品の再輸入には再び輸入消費税発生がかかります。
INVOICEは
・「量産分」と「交換分」を分けて記載し、
・「交換分」は<不具合による交換分>だと分かるよう追記し、
・「交換分の単価」は<タダではない、非常に安価に単価を記入>します。
方法2 「再度の正規輸入」と「不良品の返品」作業を進めます。
不良品の返品は輸出です。
送料相手負担の場合は、
・貿易条件を「EX-Work」とし、
・輸入時と同じフォワダーを利用して貨物を引き渡しします。
・発送前にINVOICEを海外企業に見せて意思疎通を図っておきます。
・異品輸入時に支払った消費税還付の手続きを進めます。
税関様式T第1630号をダウンロードし、必要事項を記入します。
ここで必要になるのが、輸入時の貿易文書輸入許可通知書です。
通知書に書いてあることを転記します。
INVOICE、Packing List、「違約品等保税地域搬入届」と荷物を引き渡します。
※送料を自社負担する場合は、次回部品単価から送料分を控除してもらうなど交渉しましょう。
お断り
方法2は、当社が経験したフォワダー利用のケースです。
クーリエは消費税還付を代行しないと回答しましたので都度ご確認ください。