他人はコントールできないが、自分はコントールできる
知的財産とは直接関係がありませんが、以前学習塾も経営していた関係で
そのときに、生徒に向けて書いた内容をテーマ「子どもたちの学習」として
順次発信していきます。
今回は「丸写しの効果」についてお話しします。
丸写しという学習方法は、子どもの内言の発達にとても有効です。
では、内言とは何でしょうか。内言とは、物事を声を出さずに自分の頭の中で思いをめぐらせ、考えを組み立てるときに使われる言語です。
物事を考えている幼児を観察すると、必ず口から声をぶつぶつ出しています。
幼児は、内言だけで物事を考えることができないからです。
これが、10歳くらいになると書き言葉を習得して内言だけで物事を考えられるようになります。
内言が使えるということは、頭の中にイメージを描ける能力があるということです。概念を操作して物事を理解する力がついたことを意味します。
ともすれば、言語の機能は、耳で聞く伝達の果たす役割に注意が払われていますが、実は言語の最も重要な機能は、内言を操っての思考という働きなのです。
昔から寺小屋で書写をやらせていますが、これは内言の訓練の重要性を知っていたからなのです。
教科書の文章をそのまま写しとらせていく訓練は子供の言語能力を高めます。
内言を自由に操れる下地を作り上げていくのです。
外から見ていると、写し書きなどやらせても、ちっとも思考力は付かないし、学力も伸びないと思いがちです。
しかし、写し書きは、ひとまとまりの文章を覚えないと、さっと書くことはできません。
ためしに文章を読まずに1字ずつ見て、これを書き写す作業をしてみてください。膨大な時間がかかることを実感できるはずです。
写し書きにより内言化が進められるのです。書き言葉に習熟していくのです。
私の知る限り、写し書きをしっかりとやった子に、思考力のない子はいません。
何を勉強したらいいのか分からないと悩む前に
とりあえず、教科書の丸写しをしてください。
新聞の天声人語の丸写しをしてください。
以前から、繰り返し提案していますが、実際にやっているご家庭は少ないと思います。
やってみることもせずに、成績が上がらないと嘆くのはどこかおかしい
と思いませんか。
まず、だまされたと思って、やり始めることが大切です。
今日からはじめてください。
家庭での学習は、習慣になるまでは生徒さんだけでは、無理です。
必ず、家族が「あれしたか。」と関心を示してやる必要があります。