既存外壁の種類と状態によって下地処理と下塗りが変わってきます
今回はサイディング外壁に入った割れについて書いていきます。
まず、サイディングの割れとは
①サイディングの目地に打たれたシーリングが割れている
②サイディングパネル自体が割れている
③サイディングのジョイント部分が割れている
以上の三つの場合が多いです。
①の割れは既存シーリングを撤去し、打ち直しをすることで解消できます。
新築時にはコストダウンの為、あまり良くないシーリング材を使用している事があります。
新築物件を購入後、数年で目地のシーリングが割れてきた場合はとりあえず建てた建築会社に連絡して直してもらいましょう。
②の割れは窓の廻りなど小さく切ってから貼ったサイディングボードや、サイディングを固定するための釘の回りに入ることがあります。この割れについては防ぎにくいので、もしあれば塗り替えの時にしっかりと隙間をシーリング材で塞いでから塗り替えてもらいましょう。
③今回のコラムで書くのはこのジョイント部分の割れについてです。
サイディングボードの端部は凹凸になっているところと、まっすぐにカットされているところがあります。
まっすぐにカットされているところはシーリングで塞ぐ必要があるのですが、凹凸になっているところは新築時にはシーリングしません。
この凹凸のジョイント部分が経年劣化によるサイディングの反りや振動によって割れているように見えてきます。
特に縦貼りのサイディングで透湿シートの水仕舞が完璧でないときにはこの部分が原因で雨漏りにつながることもありますので注意が必要です。
今回の割れは外壁通気工法で貼られたサイディングボードが完全に固定されていなかったことが原因で振動して硬質の吹き付け材が割れてしまったものでした。
今回の外壁通気工法の場合は胴縁という45㎜幅の木材に釘止めしてあるのですが、浮いているサイディングの効いていない箇所をサイディングビスで固定します。
固定出来たら隙間をノンブリードシーリング材やエポキシフィラーなどの下地補修剤で隙間詰めします。
補修跡が目立たない様に補修し、塗り替えるのも塗装屋の技能です。
もしこの部分が原因で雨漏りしたら、瑕疵担保が適用されますので、10年以内なら建てた業者は無償で直さなければいけません。その場合は外壁サイディングをはがして、透湿シートと防水テープによる2次防水からしっかりとやり直してもらいましょう。
横貼りサイディングの場合はジョイント部分は雨漏りにはつながりにくく仕上がりの見栄えの問題となります。