既存外壁の種類と状態によって下地処理と下塗りが変わってきます
一般的に洋瓦と呼ばれる瓦には種類があることをご存知でしょうか?
陶器瓦・釉薬瓦・素焼き瓦・乾式コンクリート瓦・プレスセメント瓦・厚型スレートなどの瓦でS型や平型の物が総称洋瓦と言われています。
今回はこの中ですでに生産が中止になっている乾式コンクリート瓦
(モニエル瓦・クボタ瓦・スカンジア瓦・ハリモリック瓦これらは同等品ですが、生産メーカーが違います。)
の塗り替えについて書いていきます。
乾式コンクリート瓦の塗り替えでは塗膜の剥離などの不具合が起きやすいです。乾式コンクリート瓦の表面にはスラリー層といわれる着色層がありますが、経年劣化により色落ちした瓦はこのスラリー層が脆くなっています。脆くなったスラリー層は剥離しかけた塗膜のようなものなので、高圧洗浄で充分に水洗いし落とさなければいけません。この洗浄が不十分なのに塗り替えた場合は新しい塗膜が剥がれることが多いです。またシーラーと言われる下塗り材が充分に効果を発揮しなくても塗り替え後に剥離が起きやすくなってしまいます。
今回のモニエル瓦の塗り替えにはオリエンタル塗料工業のクールくんマイティーシリコンと、上塗りの上に塗る超高耐久クリヤーを使用します。
オリエンタル塗料工業は屋根用塗料の専門メーカーです。先ほどシーラーが大切だと書きましたが、ほかの塗料メーカーの屋根用塗料とは根本的に違い、乾式コンクリート瓦や薄型スレート瓦には下塗りなし(ノンシーラー)で塗料を吸い込ませて着色します。そのため年数が経っても塗膜の剥離は起きにくいので、門下塗装ではモニエル瓦の塗り替えには必ずこのメーカーの塗料を使用しています。
クールくんマイティ―シリコンで仕上げた後、弱溶剤2液特殊シリコンクリヤーを塗り表面のコーティングをさらに艶を出して塗り替え完了です。
モニエル瓦などの乾式コンクリート瓦はすでに生産中止になっているため、割れてしまうと差し替えが出来ません。
塗り替えるときにすでに割れている場合は仕方ないですが、今回のように表面の劣化のみで瓦が割れていないのなら塗装の保護機能により屋根瓦の耐久性を上げてより長く使用することが出来ます。
それによって長い目で見た、家屋メンテナンスのランニングコストは抑えることが出来ます。