経営コンサルタントの費用はどのくらいかかるのか
経営者が経営判断を行う場合、企業規模のみならず、環境要因(経済、市場、地域性等)、経営状態(増収増益?赤字?等)、自社の特性(商品、顧客、社員等)などを総合的に検討するはずです。そして、打つべき手を判断する場合に、勘に頼らず根拠や確信を得ようとするならば、理論的な背景や戦略的な見方が求められることは否定されるものではありません。
ところで、中小企業では、これまでは創業者の意欲や頑張りにより成長を進めることが可能でした。それは日本の経済が右肩上がりの成長を続けてきたからです。そして、その間は基本的な経営管理すら行われて来なかったのが実情です。
それは、言い換えれば「成り行き経営」であり「座頭市経営」であったのです。
しかし、経済環境が激変した今日、基本的なことさえ実行できない企業では生き残ることは難しいでしょう。
そこで、次のような経営の基本をチェックしてみる必要があります。
(1)挨拶や報告・連絡・相談といった基本動作の体得はできているか。
(2)PDCAのマネジメントサイクルの遂行はどうか。
(3)指揮・命令系統の整理と責任と権限の明確化(役割分担)はできているのか。
(4)月次決算による損益管理はできているか。
(5)管理会計による先行管理はできているか。
(6)売上でなく利益意識の確立は図られているか。
これらは「経営の定石」と呼ばれるものであり「基本中の基本」です。
基本が確立されないままであれば、やがて成長は止まり衰退が始まることでしょう。
次に、中小企業に必要な戦略的な着眼点を一つ上げるならば「弱者の戦略」が上げられるでしょう。
弱者の戦略とは、
(1)局地戦(2)接近戦(3)一騎討ち(4)一点集中(5)陽動作戦 を指し、
強者の戦略とは、
(1)確率戦(2)広域での総合戦(3)間接・遠隔的戦闘(4)圧倒的な兵力数による短期決戦(5)敵を分散させる作戦 を指します。
中小企業が大企業の戦略を真似ては失敗します。
しかし、一方で戦略的な見方が求められることも分かっていただけるでしょう。
このように考えると、今後は中小企業だからこそ基本的な理論や戦略の構築が求められます。
企業間の競争は「勝ち負け」でなく「生き死に」です。環境変化に対して適応できない企業は、企業規模に関わらず自然淘汰されていくことは自明の理なのです。