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技人国ビザ厳格化の衝撃(3)  地方企業はどう戦うべきか

平山裕康

平山裕康

テーマ:グローバル人材が日本を救う

技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国ビザ)の厳格化は、外国人材市場に大きな変化をもたらしています。

前回までのコラムでお伝えした通り、これからは「選ばれる外国人」と同時に、「選ばれる企業」でなければ人材を確保できない時代に入りました。

この流れの中で、特に大きな影響を受けるのが地方企業です。

大都市圏には条件の整った企業が多く、日本語力が高く専門性のある外国人材が集まりやすい環境があります。一方で地方では、中小企業が中心となるため、採用条件や待遇面で不利になりがちです。

さらに技人国ビザの審査では、企業の安定性や業務内容の明確さが重視されるため、規模の小さい企業ほどハードルが高くなっているのが現実です。

では、地方企業はこのまま人材確保が難しくなっていくしかないのでしょうか。

結論から言えば、決してそうではありません。

むしろ、戦い方を変えれば、地方企業だからこそ勝てる領域も存在します。

その一つが、「役割の明確化」です。

大企業では業務が細分化されがちですが、地方企業では一人ひとりが担う役割の幅が広く、「任される仕事の大きさ」という魅力があります。これを曖昧にせず、「どのようなスキルが身につき、どのように成長できるのか」を明確に伝えることが重要です。

二つ目は、「キャリアストーリーの提示」です。

外国人材にとって、日本で働くことは人生の大きな選択です。その中で、「この会社で働くと自分はどう成長できるのか」「将来どのようなキャリアにつながるのか」を具体的に示せる企業は、地方であっても選ばれます。

三つ目は、「生活環境の魅力の言語化」です。

地方は生活コストが低く、自然環境が豊かであるなど、多くの魅力があります。しかし、それを企業側がきちんと伝えきれていないケースが多く見られます。

「住みやすさ」「安全性」「コミュニティの温かさ」といった要素は、外国人材にとって非常に重要な判断基準となります。これらを積極的に発信していくことが求められます。

四つ目は、「採用前教育との連携」です。

地方企業単独で人材を育成するのは簡単ではありません。だからこそ、海外での日本語教育や事前研修と連携し、「来る前から準備された人材」を受け入れる仕組みを構築することが重要になります。

これにより、採用後のミスマッチや教育負担を大きく軽減することができます。

そして最後に重要なのが、「本気度」です。

これは抽象的に聞こえるかもしれませんが、実務の現場では非常に重要な要素です。外国人材は、企業の姿勢をよく見ています。

「人手が足りないから来てほしい」のか、「一緒に成長していきたいのか」。

この違いは、面接や日々のコミュニケーションの中で必ず伝わります。

地方企業にとって、技人国ビザの厳格化は確かに逆風です。しかし、それは同時に「本気で取り組む企業が選ばれる」時代の到来でもあります。

条件だけで勝負するのではなく、「価値」で選ばれる企業になること。

それこそが、これからの地方企業に求められる“勝ち筋”なのではないでしょうか。

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