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日本語教育の基本方針が改定へ ― 私たち日本人にどう影響する?

平山裕康

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テーマ:多文化共生

2025年9月5日、文部科学省は「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」を改定しました。
これは5年ごとに見直される“日本語教育の国の指針”で、今回が初めての改定です。外国人のための施策と思われがちですが、実は私たち日本人にとっても大きな意味があります。

改定のポイント


  • 教育機関の質保証

政府が「認定」した日本語教育機関を選びやすくなる。留学生や外国人社員が安心して学べる環境が広がります。

  • 「日本語教育の参照枠」の普及

日本語力を世界基準のA1~C2で見える化。教育や採用現場で「この人の日本語はどの程度か」が客観的に判断できるようになります。

  • 外国人の子ども支援

学校で日本語が十分にできない子どもへの支援が強化されます。就学していない子どもも含め、学習機会が保障される方向です。

  • 母語・文化への配慮

日本語教育だけでなく、子どもたちの母語や文化も尊重し、本人や保護者の声を大切にする姿勢が明記されました。

  • 関係機関の連携と透明性

学校・自治体・企業・国の各省庁が連携して取り組むこと、さらに現状や施策を公開して透明性を高めることが盛り込まれています。

私たち日本人にどう影響するのか?

一見「外国人のための方針」に見えますが、実際には日本人の暮らしや仕事にも直結しています。

学校や地域で

・クラスに日本語が十分でない子どもがいても、サポートが充実することで一緒に学びやすくなる。
・子どもたちが多文化に触れる機会が増え、「国際感覚」を自然に育てられる。

職場で

・外国人社員の日本語学習が促進され、職場でのコミュニケーションが円滑に。
・事業主も支援する責任が明確になり、日本人社員にとっても働きやすい環境づくりが進む。

社会全体で

・「日本語がわからない人」に任せきりではなく、制度として支える仕組みが整うことで、日本人側の負担感や戸惑いも減る。
・外国人住民が地域社会に参加しやすくなり、防災や地域行事などで“共に暮らす”実感が高まる。
・多文化共生が当たり前になり、日本人にとっても「世界の人と協働できる力」が自然と身につく。



今回の改定は、日本語を学ぶ外国人だけでなく、私たち日本人にとっても「安心して共に暮らす社会」をつくるための基盤です。
学校では子どもたちが多様性に触れ、地域では外国人住民と助け合い、職場では言葉の壁を越えたチームワークが広がっていく――そんな未来「多文化共生社会」に向けた一歩と言えるでしょう。

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