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元銀行員が経営者と金融機関の橋渡し役となり、中小企業の資金調達や経営改善に伴走

中小企業の資金調達や経営改善に伴走するプロ

堀本修一

堀本修一 ほりもとしゅういち
堀本修一 ほりもとしゅういち

#chapter1

決算書の見方や経営改善計画作成、目的に合わせた資金の借り方・返し方などをアドバイス

 「中小企業の経営者さまが金融機関と良い関係を築くお手伝いをいたします」と話すのは、兵庫県加古川市に事務所を構える「堀本経営コンサルティング」代表の堀本修一さん。元銀行員の経歴を生かして、経営・財務改善や資金調達などに関するコンサルティングをしています。

 「経営者さまは事業における夢に重点を置いて話しがちですが、金融機関は現在の経営状況に大きな関心があり、両者で話したいことと知りたいことが食い違っていることが多いんです」

 また、決算内容が思わしくないからと報告に行かないのも、金融機関はいい印象を抱かないと指摘。

 「たとえ赤字決算でも、自分から説明に出向く姿勢を見せることが大事です。当方が顧問をしている企業さまには、融資を受けている金融機関に、年度末と中間期の決算をご報告いただいております」

 経営者が財政状態を正確に把握できるよう、堀本さんは決算書の見方から丁寧にレクチャー。要望があれば金融機関への報告にも同行し、財務などの問題点を捉え、改善への道筋を説明します。

 「当方は経営改善計画の実行にも伴走します。税理士さんに依頼して試算表を毎月出してもらい、計画どおりに成果が出ているかをチェックします。できていないならその理由は何かを一緒に考え、目標設定を軌道修正することもあります」

 資金が足りなければ調達しなくてはなりませんが、新規事業立ち上げや設備投資など「利用目的に適した借り方がある」と堀本さん。資金調達および返済方法についてのアドバイスや、金融機関との交渉も得意としています。

#chapter2

銀行員として平成金融危機を経験。中小企業と金融機関の対話の大切さに気づき起業

 堀本さんは、1983年に協和銀行(現・りそな銀行)に入社。融資・外為マネージャーとして、営業店7店舗、本部2部門で業務にあたりました。約40年間の勤務の中で、バブル崩壊後に金融機関が多額の不良債権を抱えた「平成金融危機」も経験。

 「大手の銀行や証券会社などが経営破綻しましたが、りそな銀行には公的資金が投入されました。救済された理由の一つは、前身となる大和銀行もあさひ銀行も中小企業に対する融資比率が高く、破綻すると中小企業への影響が甚大になるからです。りそなが再建の道を進むことができたのは、中小企業の皆さまのおかげでもあるんです」

 中小企業に恩返しをしたいと、在職中に中小企業診断士を取得。業務と並行して資格の勉強をする中で、銀行と中小企業の付き合い方について、改めて考えさせられたと言います。

 「提出された決算書を融資担当者が確認して疑問点を問い合わせ、経営者が回答する。その内容をもって融資の参考資料として利用しながらフィードバックを行わない、一方通行の関係に陥りがちでした。『銀行は常に正確なことを言わなければ』という考えに縛られすぎて、自分たちが持っている経営改善の情報開示に積極的でなかったんです」

 中小企業の事業性を適切に評価し、円滑に取引するため、銀行側が考えていること伝え、経営者の話に耳を傾ける相互理解へと転換。貸し出す側と借り入れる側が対話する大切さに気づいた堀本さんは、中小企業の側に立って橋渡しをしていきたいと、定年退職後の2020年に起業しました。

堀本修一 ほりもとしゅういち

#chapter3

中小企業の事業性を評価した資金調達や創業サポート、人脈と知見を生かした新規顧客開拓支援

 開業以来、堀本さんが支援してきた業種は、建設業や小売業、飲食業など、多岐にわたります。

 「例えば、トマトとコメを生産している農業法人さまのケース。収入が収穫期のみという業態に加え、生産高も天候に左右され、資金繰りが苦しくなる時期がありました。そこで、地元の信用金庫と信用組合に当該法人の事業性を説明。一定の限度額内であれば、借り入れと返済が自由にできる当座貸越の枠を作っていただくことができました」

 同法人が栽培しているトマトの質の良さに目をつけ、新規顧客も開拓。人脈を生かして、高級ホテルやイタリア料理店などと直接取引できるようになりました。

 さらに2021年からは、加西商工会議所で相談員としても活動。マーケティングの知見も駆使し、創業支援にも取り組んでいます。

 「美容室のオープンに際しては、競合が多い地区に出店するため、独自性を出すことを重視。経営者さまが協会認定のエステティシャンの資格もお持ちだったことから、完全予約制のトータルビューティーを提供するサロンとして営業することを提案し、集客もフォローしました。サービスとファンを確立することで、価格競争に巻き込まれることなく、順調な滑り出しのようです」

 ただ、経営は決して簡単ではなく、ビジネスの内容によっては、必ずしも起業にこだわらなくてもいいと提言することも。「その方が幸せになれる方法は何かを親身になって考え、成功できるよう精いっぱいサポートいたします」と堀本さんは呼び掛けます。

(取材年月:2024年2月)

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中小企業の資金調達や経営改善に伴走するプロ

堀本修一プロ

経営コンサルタント

堀本経営コンサルティング

融資・外為マネージャーとして銀行に勤務した経験と知識を生かして、中小企業の資金調達や経営改善に伴走。経営者が金融機関と良い関係を築くための橋渡しをするほか、新規創業もサポートします。

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