【日本人英語】の弱点:漢字と英単語の紐づけ問題①

TEX 二井原

TEX 二井原

テーマ:大学入試・TOEIC・英検

記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。




● 漢字との紐づけ問題

受験生の英作文答案で気づくことがあります。
偏差値が上がる程、ある傾向が顕著に表れるのです。
結論から言えば、次のとおりです。
『英語表現が日本語の漢字と紐づけされている』
実例で少しづつ考えてみましょう。

<問題①>
彼の老後は安泰だ。

「安泰」(あんたい)が難しいですね。
ここで「安泰」を自分の書けそうな言葉、
「安定」などに置き換える。
すると、stable と表現できるので例えば、

He'll be able to enjoy his stable life after retirement.

このように、難語を自分の言えそうな言葉で言い換える技術
が入試対策では一般的なテクニックになっています。
でも上記英文の stable は無くでも意味が通るので不要ですね。

 He'll be able to enjoy his life after retirement.

文末に and feel no anxious などとしてもよいでしょう。
更に「老後」という漢字は時の概念が入ります。
このような場合には、after のような時を明示する表現を
必ずしも必要としません。
英語で時の概念は動詞の形、つまり〈時制〉で表現するのが
基本と考えましょう。例えば、

 He's going to be happy by doing by what he want to do.

これで「老後」という漢字から解放されたことになりますね。
<be going to do>で「老後」に含まれる時間の概念を捉え、
<what he want to do>で「安泰」を具体的に表現しています。
wh- やhow を積極活用することで、
具体的で説明的な表現になり、躍動感が生じます。
映像化されると言ってもよいでしょう。
更に<what he want to do>の語彙レベルに注目すべきです。
「安泰」に対応する英語に悩むのがバカバカしくなる程に
語彙レベルが落ちますね。
wh-、how が名詞のカタマリを作る場合、
語彙レベルが極端に下がります。
よって、
「ピタッとした英語が思い浮かばない」
「知ってるはずの英語表現をど忘れする」
などのリスクマネジメントにもなります。

次の問題です。
大学入試の英作文問題から抜粋です。

<問題②>

現状の日本において、若者は厳しい入試制度に晒される。

ポイントは3個です。
★ポイント①「現状の日本において」

偏差値60以上の生徒ならば9割以上が

 current situation in Japan

を思いつくでしょう。
でも「現状」は時間の概念を含む漢字です。
よって時制で処理できることを意識してください。
例えば、
 
 what's going on in Japan

wh-が語彙レベルを下げて、具体的表現にしています。
映像化された躍動感ある英語であると感じるはずです。

★ポイント②「入試制度」

system は稚拙かなぁとか「共通テスト」のイメージを
含めて、entrance examination systeにするか。
または institution かと迷いますね。
これもwh-, how で溶かして

 how the entrance exam works
what entrance exams requuire

とすればよりビビッドにイメージが浮かぶ英語になる
のが分かると思います。

★ポイント③「晒される」

 young people are exposed to

などとexposeが浮かぶのは漢字との互換性の強さがあるから
ではないでしょうか。
もっとも、エリート受験生は<be subject to>を使って

Students are subject to strict test procedures.

のように表現するでしょう。
ちなみに<be subject to>が入試で超重要表現である理由は、
受動態表現なので、日本語と「態」が異なる。
toは不定詞を構成するtoではなく前置詞なので、
その直後は名詞要素が置かれるが、筆が滑って動詞の原形
になってしまいがち。
などの理由から、出題したくなるのも分かる気がしますね。
また、語源的には、
  sub:下
  ject: 投げる
ですね。project:pro (前に) ject (投げ出す)→ 計画
「プロジェクター」は映像を前に投げ出す機械 → 投影する機械
です。

上記3個のポイントで漢字に囚われることなく、
柔らかく溶かして表現すると例えば、

  Young Japanese people go through the challenges of a
tough entrance test.

この英語を見れば、「漢字との紐づけをほどく」ことで、
語彙レベルを落として、柔らかく具体的で躍動感のある
英語を表現できることが分かってもらえるかと思います。

受験生が入試や資格対策で用いる単語帳は一般に、
「漢字モンスター」です。
英検準1級にもなると、僕自身も日本語訳の漢字が
読めない場合がちらほら出来てます。
英検1級だと、一生使わないだろう日本語の漢字
がいっぱい出現しています。
英語と向き合っているつもりが、実は漢字と
向き合っていた、ということになりかねません。
英和辞書も同様のリスクがあります。
このような漢字の特性を理解したうえで、
学習することが大切でしょう。

 

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TEX 二井原
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TEX 二井原(英語講師)

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