東北大学 国際卓越研究大学 背景

TEX 二井原

TEX 二井原

テーマ:世界レベルを目指す大学


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


国際卓越研究題大学に東北大学が

認定されたことに関してコラムで

以前、詳しく書きました。

[[https://mbp-japan.com/hyogo/english-work-out/column/5144157/]]

今回も10兆円規模プロジェクトの背景

を紹介します。

先ず、プロジェクト発足の発端となったのは次のニュースです。

ノーベル賞候補の技術者がチームごと

中国に頭脳流出したのです。以下、概要。

中国の上海理工大学は、

「光触媒」の反応を発見したことで知られ、

ノーベル賞候補にも名前が挙がる

藤嶋昭・東京理科大栄誉教授(79)

とその研究チームが上海理工大で研究活動

を行うと発表しました。

藤嶋氏は光を酸化チタンに当てると

水が酸素と水素に分解される光触媒の効果を発見。

日光で汚れや臭いを分解でき、

外壁の汚れ防止や空気清浄機などで実用化された。

同大の8月31日付の発表によると、

海理工大は光触媒に関する研究所を新設し、

藤嶋氏のチームが中心となって

研究を進めるとしている。

この発表に呼応して、

自民党衆議院の重鎮、

甘利さんが広く発信していました。

例えば、旧ツイッターで、

甘利 明
光触媒の発見者でノーベル賞候補ともいわれる
研究者がチームごと中国の大学に移籍しました。
国益は?
と怒りを覚えますが、
研究者は純粋な探究心が行動原理で
より良い研究環境を求めます。
半分は国家の責任です。
だから私が運用益を研究費に充てる1
0兆円の大学研究支援基金の創設を提唱したんです。
午後6:28 · 2021年9月4日


中国に囲われる日本人科学技術者


近年、海を渡って中国を目指す日本の科学技術者

は後を絶ちません。

東京大学名誉教授、

脳神経科学者の御子柴克彦氏。

2019年に上海科技大学から招聘されました。

上海科技大学の免疫化学研究所教授

に迎えられたのです。

御子柴氏は日本脳神経分野の権威です。

日本医師会医学賞、日本学士院賞、

国際抗酸化学会特別賞、

クラウス・ヨアヒム・チュールヒ賞(フランス)、

フリッツ・リップマン・レクチャー賞(ドイツ)

など多彩の受賞歴を持ちます。

しかもノーベル医学生理学賞の有力候補です。

北海道大学名誉教授の上田多門氏も

中国の深圳大学に拠点を移動しました。

上田氏はコンクリート工学などの専門家です。

100年を超える歴史のある

日本土木学会の次期会長にも内定されている権威です。

三菱化学など日本の有名企業で研究者として、

LED照明やディスプレイ用発光材料などの

新しい固体発光材料を発明しました。

世界のLED産業の発展に貢献してきた

科学者・瀬戸孝俊氏もその一人です。

彼は、2018年9月に東京から中国西部の甘粛省に渡り、

中国政府に重点大学と指定される

蘭州大学物理科学・技術学院の教授職に就いています。

日産自動車のEV開発責任者だった矢島和夫氏は、

2019年2月に中国の新興EVメーカーである

観致汽車のCEOに就任。

日産のR&D管理部長だった宇野高明氏は同年7月に、

中国の新興EVメーカーである奇点汽車の

CTO(最高技術責任者)に就任しました。

日産の執行役員だった大谷俊明氏は2020年2月に、

中国の宝能汽車集団常務副総裁に就任しています。

トヨタ自動車のチーフエンジニアだった

勝又正人氏と品質管理担当の宮下善次氏も

大きなニュースになりました。

それぞれ広州汽車集団首席技術総監(21年7月)、

小鵬汽車品質管理総監(19年2月)に就任しています。

その成果もあって、EV産業は現在、

完全に中国覇権となっています。

例えば、大阪府は万博に絡んで、

EVバス100台を中国系企業から購入する計画を発表し

物議を読んでいます。

伊勢市や京都市の市営バスも中国系メーカーのものです。

日本の精神的中枢とも呼べる地域だけに、

これは象徴的事象と言えます。

中国R&D投資の急増と研究レベルの向上

日本の科学技術者が次々と中国に招聘される

背景には、中国R&D投資の急増と

研究レベルの著しい向上があるとされます。

日本の文部科学省直轄の研究機関である

「科学技術・学術政策研究所」のまとめによれば、

中国の研究開発費は2000年からの20年間で

約13倍に拡大。

2019年は日本円に換算すれば約53兆円、

前年比10.8%増で、首位の米国(63兆円)に迫ります。

中国政府は科学技術強国を目指し、

攻勢は今後も続くと予想されます。

一方、日本の研究開発費はほぼ横ばいで、

2019年は約19兆円と中国の3分の1程度にとどまり、

その差が著しく開いています。

R&D投資の急増に伴い、

中国の科学研究分野のレベルアップも著しいようです。

「注目論文」(引用数が多く、注目度が高い科学研究論文)数

の国別の世界シェアにこれが表れています。

2018年に中国は24.8%でアメリカを初めて逆転して

世界一に立ちます。

アメリカは22.9%で2位、英国5.4%、ドイツ4.5%などが続く。

日本は2.3%にとどまり、順位は第10位で、

2008年の5位から大きく低落している状態です。
 
深刻なのは、共同研究の成果である国際共著論文数です。

2019年の日本の国際共著論文数は約3万件。

1位 アメリカ 約18万件、
2位 中国   約12万件

からの後塵ぶりが激しい状況です。 

水は低きに流れ、教育は高きを目指すと言われますが、

かくの如く頭脳流出の条件が揃っています。

研究環境が優れ、待遇もいい中国から

次々と一本釣りされるのは、

科学研究者から見れば当たり前の話なのでしょうか。

かつて、90年代後半から日本の家電メーカーの技術者が

韓国メーカーに次々とヘッドハンティングされ、

家電先端技術がごっそり流出したことを思い出します。

最後に、

大学は我が国の将来を造る人材育成の国家機関であり、

主たる運営資金は国民の血税です。

しからば、

他国に利する国益に反した研究者としての生き方は、

筋が通らないと考えます。

日本人として仁義に反するのです。

高校生に対しては、教科的指導のみならず、

このような人の道と国益のための研究の意義

をキチンと学ぶ機会を持たせることが

大切だと痛感する次第です。

皆さんはどのように感じましたか。

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TEX 二井原
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TEX 二井原(英語講師)

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