整序問題

TEX 二井原

TEX 二井原

テーマ:大学入試


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


前回、4択空所補充問題を解くよりも、

整序問題を用いて、実際に英文を作る方が

学習効率が上がるという指摘をしました。

今回は、整序問題が具体的にどのように

学習効率を上げるのかを考察してみます。

Ⅰ. 文法用語なしでも品詞の概念が養われる

Nextstageを典型とする網羅系で4択空所補充問題

を解く場合に予め文法単元として

動名詞、分詞、分詞構文のテーマで出現する

動詞のing形に対して、その動詞のing形が

名詞として機能するもの(=動名詞)なのか、

形容詞として機能する(=分詞)ものなのか、

副詞として機能するもの(=分詞構文)ものなのか

を考えなくてもよいわけです。

つまり、品詞の可能性を考慮することなく正解を

得ることができるのです。

一方、整序問題で動詞のing形が選択肢として出現する場合、

その動詞のing形が

〈動名詞〉なのか

〈分詞〉なのか

〈分詞構文〉なのか

分からないのです。

よって、そのing形の文中での機能に次の可能性があるため

意識をせざるをえないのです。

〈名詞〉=(主語・目的語・補語・前置詞の目的語)

〈形容詞〉=(名詞を修飾・補語)

〈分詞構文〉=(名詞以外を修飾してM)

つまり、品詞の概念と向き合うことになるのです。

ここまで文法用語による理屈が多くなりましたが、

実は文法用語が必ずしも必要ということではありません。

品詞の概念は文法用語を持ち出さない場合でも、

整序問題の正解英文を身体に浸透させていけば

キチンと脳に構築され、身体に浸透するのです。

文法用語なしでも品詞の概念が養われるのです。

実際に、僕の小5の娘は文法用語をまったく知らない

状態ですが、品詞の概念はある程度できています。

上記の動詞のing形が文中で果たす機能を例文でみておきましょう。

◆ doing の文中で果たす役割

(1) 〈動名詞〉 名詞「~すること」
(2) 〈現在分詞〉形容詞「~する・~している」
(3) 〈分詞構文〉副詞「時・理由・条件・譲歩・付帯状況」を表す

(1) Looking after children requires patience.
  子供の世話をするには忍耐力が必要だ。

(2) The man driving the car was drunk.
その車を運転していた男は酔っ払っていた。

(3) Seeing me, the dog wagged his tail.
その犬は私を見ると,しっぽを振った。

〈参考〉
◆ 文頭の Doing… ① Doing … V ② Doing … S V

①Reading small print injures the eyes.〈動名詞〉
小さな活字を読むことは目に良くない。

②Reading the letters from her, he turned pale.〈分詞構文〉
彼は彼女からの手紙を読むと青くなった。

Ⅱ. 英語の語順、発想が養われる

英語は語順言語です。

配置によってその言葉の意味が定まります。

これはある程度学習すれば認識できることです。

実際に見てみましょう。

次の英文の意味を正しく把握できますか。

(1) We got to the station after ten minutes' walk.

(2) They got tired after ten minutes' walk.

(3) He got an ice at the supermarket.

(4) He got me an ince.

(5) He got everything ready for me.

(1) 10分歩いたら駅に着いた。
(2) 10分あるいたら疲れた。
(3) 彼はそのスーパーでアイスクリームを手に入れた。
(4) 彼は私にアイスクリームを買ってくれた。
(5) 彼は私のために何もかも用意してくれた。

このように、文型によってgetの動詞が定まるという

事実は私たち日本人にとっては驚きですね。

語順と言えば、大学入試では形容詞が絡む事項が重要です。

[A] 特定の形容詞では,冠詞をその後ろに置く。

all / both / double / half / such +冠詞[this, that, 所有格]+名詞

   
all/both/half+the books here
(ここの本すべて/両方/半分)

[B] 形容詞の並列
  日本語では次の表現がどちらも可能。

    「大きな古い車」
    「古い大きな車」

英語では形容詞の語順に制約がある。

〇 a big old car
× an old big car  

冠詞・所有格+数量+大小・形状+性質・状態+年齢・新旧+国籍・材料 +名詞

本質的,客観的なものほど名詞の近くに位置させると考えればよい。

ただし,
この参考書でよく見る規則を厳密に覚えておく必要はない。

形容詞をたくさん並べることで不自然な英文になる。

 △ I met a good-looking tall young American student.
 〇 I met an American student. He is good-looking, tall, and young.

Ⅲ. アウトプットへのファーストステップとなる


文法学習として4択空所補充を大量にやるというのが定石となっています。

しかし、4択空所補充には様々な弱点があります。

① 空所補充の焦点になり易い事項のみに問題が偏る
② 一定の学力があれば選択肢があるため、これをヒントに正解を得られる

とは言っても英作文をするとなるとハードルが上がり過ぎます。

スピーキングの練習もしかりです。

アウトプットの練習が難しいからこそ、4択空所補充問題が

圧倒的地位を獲得したのです。

そこで提案したいのが、4択空所補充問題と英作文の中間に位置する

整序問題の活用です。

整序問題では、自力で英文を作る意識が自然に生じます。

語順に対する意識も敏感になります。

アウトプット学習への架け橋となりえるのです。

ちなみに、4択空所補充問題でも少しの工夫で

アウトプット学習の要素を持たせることができます。

選択肢をなるべく見ないで不可をかけるのです。

網羅系の問題集を何週も回している受験生の皆さんに

ぜひ試して欲しい「高地トレーニング」です。

今後も英語学習に役立つ情報を発信していきます。

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TEX 二井原
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TEX 二井原(英語講師)

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