中学英語  全国学力テスト

TEX 二井原

TEX 二井原

テーマ:中学英語


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


今回は、中学校における英語教育がテーマです。

特に「全国学力テスト 結果公表 」

を受けて考察してみます。

先日、各社報道で次のような見出しが躍った件です。

中学「英語」 話す力や書く力に課題


2023年度の「全国学力テスト」の結果は以下のとおりです。

4年ぶりに実施された中学校の「英語」では

speaking の平均正答率が12%

にとどまるなど、

英語で話す力に課題があることがわかりました。

専門家は「ICTの活用を進めるなど、指導方法の改善が必要だ」

としているとのこと。

小学6年生と中学3年生およそ190万人が参加した

本年度の「全国学力テスト」は、

「国語」「算数・数学」に加え、

中学校では4年ぶりに「英語」が実施され、

このうちスピーキングはタブレット端末などを使って

出題から解答まで初めてオンラインで行われました。

31日、その結果が公表され、平均正答率は小学校で次のとおりです。

● 国語:67.4%
● 算数:62.7%

中学校では次のとおりでした。

● 国語:70.1%
● 数学:51.4%

中学校英語の「聞く、読む、書く」の問題は正答率は46.1%でした。

「話す」、いわゆるスピーキングは12.4%で、

自分の考えなどを英語で話す力に課題がみられたとのことです。

国は2020年度から小学3年生と4年生で

英語を学ぶ「外国語活動」を必修とし、

小学5年生以上は「教科」として通知表で評価されるようにするなど

英語力の強化に力を入れてきました。

音声や動画などが見られる英語のデジタル教科書も

すべての小中学校を対象に提供しています。

会見で文部科学省の担当者は

「問題の設定が難しかったこともあるが、

話す力と書く力に課題がみられたことは重要だと受け止め、

取り組みを強化したい」

とコメントしています。

今回の全国学力テストでは

中学校の英語のスピーキング問題があわせて5問出され、

中には平均正答率が4.2%となった問題もありました。

はじめに動物園で留学生を案内する場面を想定し、

相手の英語を聞き取った上で解答時間内に

英語で答えたり質問したりする問題が4問出題されました。



このうち看板に日本語で書かれた

ゾウの誕生日を英語に訳す問題の正答率は19%、

園内でどこを回るかなど次の予定を伝える問題の正答率は9.4%、

カンガルーが食べるものについて英語で質問する問題の正答率は13.4%、

図鑑、クッキー、Tシャツの中から

4歳の男の子へのお土産としてふさわしいものを選び、

その理由を伝える問題の正答率は16.1%でした。

最後に環境問題についてのプレゼンテーションを聞き、

それに対する自分の考えと理由を伝える問題が出題されました。

具体的にはニュージーランドの留学生が

「日本ではプラスチック製の袋を店で売るのをやめるべきだ」

と発表したことに対して、

自分の意見や理由を英語で伝えるという問題で正答率は4.2%

とすべての設問の中で、最も低くなりました。

専門家のコメント

今回の結果に対しては

複数の英語教育に詳しい大学教授がコメントを寄せています。

例えば、

「子どもたちが自分の考えを

簡単な英語で伝える経験を積み重ねることが必要だ」

と酒井教授は指摘しています。

酒井教授は、

英語のスピーキング問題の正答率が低かったことについて、

「単なる教科書の音読のような指導にとどまるのではなく、

生徒自身が自分の考えを

英語で伝える活動になっているのか

という点が課題となっている。

これからは、英語のコミュニケーション能力を

高めることがますます求められるようになるだろう」

と指摘しています。そのうえで

「学校の授業などで自分の意見を持ち、

簡単な英語で伝える経験を積み重ねることが必要になってくる。

そのためにはICTの活用も重要で、

音声で英語に触れることができ、

みずからの学習を振り返ることができる

ICTをさらに活用、促進するように

国が環境の整備や指導内容の改善などを進めるべきだ」

と訴えています。

子どもたちに対しては

「学力テストで具体的に示されたような、

英語で何かを読んだり、意見交換したりする場面は、

現実でも実際に起こりうるものだ。

自分が将来、このような英語を使うことを

イメージしながら学んでいってもらいたい」

とも指摘しています。

上記をふまえて、ここから私見を述べます。

今回のテスト結果でコメントを出した複数の

英語教育の専門家(大学教授)がいました。

私が確認した限りではありますが、

テストの妥当性に関しての指摘がないのは驚きでした。

私も模試の作成経験があります。

正解率4%などの出題はそもそも絶対に許されません。

テスト問題作成の際には先ずは平均得点を定めます。

普通は6割から7割の範囲で設定するのです。

ちなみに、共通テストは全教科、6割に照準を当てて

問題作成しています。

今回のテストも作成チームが6割から7割の正解率を

目指して作問されているはずです。

なぜ正解率が4%になるのか。

作成者が現場の実態を知らないからです。

英語教育に興味が無いのです。

今回、各メディアにコメントを寄せた大学教授の先生方しかりです。

今回のテストは出題者側の自爆、事故なのです。

学力テスト中3英語「話す」正解「0問」6割超

このような見出しを書いている記者の方々は、

問題の妥当性に疑問を持たなかったのでしょうか。

子供たちの実用的英語力の欠如を糾弾する意図でしょうか。

このテストを受験した中学生の立場で考えてみましょう。

ほとんどの中学生が

「まったく対応できなかった」

と感じたはずです。

英語を話そうと思っても詰まってしまって、

たいへんきつい状況を経験したと思われます。

自身の英語の才能を疑ったとしても、

可能性を確信した生徒はまずいないでしょう。

私が危惧するのは、

今回のテストで多くの生徒が英語を嫌いになっただろう

ということです。

正解率4%の問題の妥当性を検証すべき


オーストラリア人留学生の環境問題に関する

プレゼンテーションを英語で聞いたうえで、

次の質問に英語で30秒程で答える問題です。

考える時間は1分。

Do people in Japan buy plastic bags at stors?

先ず、この問題ですが英検1級のライティングや、

2次面接でもまったく不思議ではない。

とういうか、いかにも出題されそうなトピックです。

回答準備時間1分というのも、英検1級を踏襲しています。

仮に母国語であれば、

ほとんどの中学生が本問に論理的に答えれたでしょうか。

ムリです。そもそも、1分で思いつく必要が無いのです。

日本語でも説得力ある根拠を挙げることができないからです。

そのような訓練を受けていないので、

英語運用力とは異なる領域で難度が不当に上がっているのです。

それにも関わらず、

報道では、専門家のコメントで中学生の英語力の低さを

糾弾するような姿勢に各社一斉に終始しています。

そもそも、記事を書いた記者達は上記の問題に

英語でキチンと反応できるのでしょうか。

今回のテストに関しての報道の使命は、

出題者側へのテスト問題の妥当性に関する疑義

を検証することなのです。

取材すべき対象は、出題者なのです。

そしてその責任を追及し、コメントを発表させることこそが、

マスコミの使命だったのです。

今回のテストは妥当性に欠けたものであることを明らかです。

この記事を読んでくださった中学生の保護者の皆様。

お子様にキチンとこのような事情をお伝えください。

それによって、英語を嫌いになることを阻止してください。



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