“中古住宅でも新築のような瑕疵のない家を” 後編

武本尚

武本尚

テーマ:安心R住宅

「リフレッシュ住宅」として、安心R住宅の普及をけん引


会社には、住宅あんしん事業者登録証や住宅かし保険の事業者届出証などが飾られている。
買い主への責任を全うしたいという思いで2000年から始めたアートランドの買取再販。住宅瑕疵のないリフォーム済み物件を「リフレッシュ住宅」と名付け、販売している。住宅だけでなく住む人も心機一転、リフレッシュした気持ちで住んでほしいという意味が込められているそうだ。



2018年に開始された「安心R住宅」の認定基準だが、それ以前に取り扱っていた物件も含めてほぼすべて基準をクリアしており、以降もアートランドで取り扱う買取再販物件(年間30戸超)は100%安心R住宅の認定を受けているという。

中山氏:アートランドのリフレッシュ住宅は、どのような点に特長があるのでしょうか。

武本氏:はい。まず、私たちが買取再販をする物件はすべて国交省が認定する外部第三者機関の認定を受けています。建物基礎や屋根裏、構造部分の傾斜まで、細かな基準をクリアした物件を「安心R住宅」として販売することで、不動産会社としての信頼を得てきました。また、購入された住宅に問題があった場合には、修繕対応もきちんと行います。「瑕疵保険付保証明書」を発行し、引渡しから5年間、主要な構造部分をはじめ、オプションで給排水設備を含め、1,000万円までの保証が付きます。

中山氏:買取再販の事業は現状においても順調に進んでらっしゃいますか?年間大体30棟ぐらい手がけていらっしゃるとのことですが、その数は伸びているんでしょうか?

武本氏:住宅の品質を担保することが最優先ですから、数を伸ばすという考え方はあまりしていませんが、大体横ばいか少し上向きです。 ただ、ご承知のように、 最近新築の建築費がものすごく上がりましたんで、 特に築10年ぐらいまでの比較的築浅の物件を市場に出すと、新築はとても無理だというお客さんで取り合いになるというような現象が起きています。

中山氏:物件を購入されたお客さまの反応はどうですか?

武本氏:「これが本当に中古住宅?」「まるで新築みたい」という声をいただくことが多いですね。新築から流れてきているお客さまのニーズに応える物件を販売できているのだと思います。また、既存住宅瑕疵保険5年保証付きであることを決め手に購入をしてくれたお客さまもいました。

省エネ部位ラベルの導入で住宅性能面にも着手



省エネ部位ラベル(出典:国土交通省)

中山氏:2025年の6月から省エネ部位ラベルの表示を始めたそうですね。 省エネ部位ラベルをお使いになってみようと考えられたきっかけはなんでしょう?

武本氏:前からそうですが、既存住宅の買取再販でトップを走りたい、差別化を図りたいという意識が常にあります。ですから新しいものについてはどんどん取り入れていくというスタンスです。省エネ部位ラベルには窓や給湯、太陽光パネルの有無がわかるチェックボックスがついているじゃないですか。 ああいったものに対する関心は日増しに高まっているように感じます。

中山氏: 新しいものをどんどん取り入れていこうという考えをお持ちの不動産会社は少数派だと私は思っていますが、そうしたお考えはどこからきているのでしょうか?

武本氏: やはり、弊社で扱っている中古住宅の品質の高さを広く知っていただきたいという意識が強いです。今のところ同じようなことをしている不動産会社を見渡しても、弊社ほどしっかり取り組んでいる会社はないのではないかと思っています。

中山氏: すでに20以上の物件に省エネ部位ラベルを掲載していると伺いました。大手不動産会社は省エネ部位ラベルを積極的に使うところも増えていますが、 アートランドのように地元密着型の企業でそれだけの物件数に省エネ部位ラベルを使っていらっしゃるところは少ないと思います。 省エネ部位ラベルを使った効果は実感されていらっしゃいますか?

武本氏:今はまだ、効果を実感するところまではいっていないですが、おそらく最近のお客さまは細かくインターネットを見ているので、 省エネ部位ラベルも意識して見ていただいている方は結構増えているだろうなと思っております。 また、お客様から住宅性能に関する質問も増えてきているように感じます。

中山氏:物件のリフォームについて、4月から住宅の性能に関する要件が厳しくなったということもありますが、積極的に性能面の改修もされるのですか? それとも、価格を抑えるために必要最低限にするんでしょうか?

武本氏: 住宅性能の部分まで徹底しますと リフォーム工事代がかなり膨らんできますので、販売価格がエンドユーザーの求める価格帯よりもかなり上がってしまいます。そのあたりのバランスには気をつけています。 条件をつけて多少高くなっても売れるのであればやるべきだと思いますけど、今のところ中古市場でそこまでの水準を求めているお客さまはまだ少数派です。

中山氏: ちなみに、アートランドでお取り扱いになっている姫路周辺の物件は、どのぐらいの価格帯で販売されていらっしゃるんですか?

武本氏: 大体2,000万円台で、高くても3,000万円までですね。 周辺の賃貸マンションや借家の家賃を調べると、家賃相場が大体毎月7万円ほどになるので、金利も含めた35年の住宅ローン返済が、この家賃相場程度までになるような価格帯に設定しています。 仮に物件価格が2,000万円とすれば、今の金利で大体月の返済額は5万8,000円ぐらいなんです。3,000万の物件でも月々の払いが7万円ぐらいですかね。ほぼ姫路の賃貸の家賃と変わらないか、それより安くなると。姫路でも、例えば新築マンションだったら6,000万から7,000万円くらいの価格帯になっています。土地付住宅が家賃並みで買えるところがポイントです。

《まとめに続く》

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武本尚
専門家

武本尚(不動産コンサルタント)

株式会社アートランド

中古住宅を買い取り、新築のような快適な物件にリフォームして、近隣の家賃以下の低価格で販売。購入後5年間、不具合があった際に補修工事代を保険会社が負担する「既存住宅売買瑕疵保険」が付いているので安心。

武本尚プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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