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武本尚

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武本尚(たけもとたかし) / 不動産コンサルタント

株式会社アートランド

コラム

住宅ローンが残った家でも売れる

2016年12月1日

テーマ:任意売却

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 住宅ローン 借り換え住宅ローン 固定金利住宅ローン 審査

「住宅ローンが残っているけれど住まいを売却したい」あるいは「売却しなければならない」という場合、どうすればいいのでしょう。

住宅ローンの残りと売却する金額が同じであればいいのですが、売却する金額が残債よりも低い場合は、貯金などを崩して残債に充てることも検討しなければなりません。

売却する家を査定する際は、何社かに査定してもらい、適正な価格を導き出してもらう事が大切です。

また、住宅ローンを組んでいる金融機関の同意を得て「任意売却」する方法もあります。

住宅ローンが残った家でも売れる? (ケース1)

会社員Aさんに辞令が出ました。地方都市の支店長としての転勤です。辞令に不服はありませんが、現在の住まいをどうするかが問題です。「売ってしまおう」とおもいましたが、家の住宅ローンが残っています。

住宅ローンが残った家でも売ることができるのでしょうか? 

結論を言えば、住宅ローンが残っていても家を売ることはできます。ただし条件があります。「家を売却した時、住宅ローンを全額一括返済する」という条件です。

Aさんが2000万円の住宅ローンを組んでいたとしましょう。ローンの返済は800万円まで済んでいるとします。するとローンの残債は1200万円です。

Aさんの家が1200万円で売却でき、Aさんがその売却代金を残債の返済にあてれば、
「住宅ローン2000万円-これまでの返済額800万円-家の売却代金1200万円=0円」
となり、「家を売却した時、住宅ローンを全額一括返済する」という条件をクリアすることができます。

Aさんは住宅ローンが残った家を売却することができます。

住宅ローンが残った家でも売れる? (ケース2)

Aさんの家の売却金額が1200万円を下回った場合はどうでしょう?

たとえば、1200万円ではなく1000万円だったとすると、
「住宅ローン2000万円-これまでの返済額800万円-家の売却代金1000万円=200万円」
「住宅ローンの全額一括返済」には、200万円不足ということになります。

こうした場合でも、Aさんが貯金を下ろすなどして不足分200万を補うことができれば、やはり「全額一括返済する」という条件をクリアすることができます。

では万一、「Aさんに貯金がない」といった場合はどうなるのでしょう? 
一般的には、親や兄弟から借りる、ということになるようですが、しかし、親兄弟に頼るにしても、その金額はより少なくしたいところです。

そうするとやはり、家をより高く売る必要があります。

そのためには、不動産会社1社だけに査定を頼むのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼し、少しでも高い価格で家を売却してくれる不動産会社を探すよう努めましょう。

家の査定は「どの不動産会社も同じ」というわけではありません。単純に築年数で判断する会社もあれば、物件としての良さを積極的に見つける会社もあります。

一般に築年数が経った古い家は、建物の価値はほとんど計算に入らず、土地の価値だけで判断されます。

しかし、リフォームによって魅力ある家に生まれ変わる、という見方ができる不動産会社であれば、建物としての価値も計算に入れることもでき、査定額に違いが出てくるのです。

住宅ローンが残った家でも売れる?(ケース3 任意売却)

さて、会社員Bさんの場合です。Bさんも家の売却を考えていますが、事情はAさんと異なります。

勤務先の業績が低迷し、倒産の危機を迎えています。業績のいい頃に組んだ住宅ローン3000万円の月々の返済がつらくなってきました。

Bさんは家の売却を考え、近隣の住宅の売却価格を調べましたが、Bさんの家と同程度の住宅の平均取引額は1500万円でした。これまでのローンの返済額は1000万円です。

するとBさんの家が1500万円で売れたとしても、
「住宅ローン3000万円-これまでの返済額1000万-家の売却代金1500万円=500万円」
となり、Bさんは別途500万円を用意しなければなりません。しかし、現在のBさんにはそれができません。

Bさんのように住宅ローン返済が苦しくなっている、しかし、家を売ることができないという場合、「任意売却」という方法があります。

住宅ローンの契約を結んだ銀行など金融機関の同意が必要ですが、同意を得ることができれば、住宅ローンが残っていても家を売却することができます。
Bさんは現在、家を売却しても500万円の残債がある状態です。Bさんにはこの残債を返済する義務があります。その返済方法について、住宅ローンの契約を結んだ銀行など金融機関の同意が得られれば「任意売却」という方法がとることができるのです。

「任意売却」は、住宅ローンの返済が難しくなった人のための救済措置と言えるでしょう。

というのも、任売却後の残債への月々の返済額は、これまで支払ってきた月々のローン返済額より低くなる可能性があるからです。

一概には言えませんが、たとえば、これまでローンの返済額が月々10万円であったところを、残債分の返済額は月々2万円で、となる可能性です。

現状では住宅ローンが払えなくなって「任意売却」となった場合、残債分の返済額は月々5000円~30000円程度です。
また、残債務の圧縮、つまり、残債の減額措置がとられることもあります。

買い替えにより今の家のローンを一括返済する方法(ケース4 買い替え)

金融機関では、買い替え検討客用に、今住んでいる家の売却代金と住宅ローンの残高の差額分を新しい家の住宅ローンに上乗せして融資してくれる新商品を用意してくれています。

これなら残債分のお金のことを心配しなくて済みます。
今の家を売却して賃貸の家賃を払いながら、残債分の返済もしていく負担を考えると、条件の良い買い替え組み替えもかしこい選択だといえます。

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