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整理収納の理論にかなった商品開発やアドバイスで、すっきりした暮らし方をサポート

整理収納の理論を通して心の中を整理する方法を伝えるプロ

長谷川絵里子

長谷川絵里子 はせがわえりこ
長谷川絵里子 はせがわえりこ

#chapter1

レジでの動作がスマートに見える財布などの商品開発で、特許を取得

 ファスナーを開けると、斜めに配置されたがま口の小銭入れと、紙幣を入れるスペースがあり、コンパクトながら収納力は確か。「zugvogel-3渡り鳥さん商会」の代表で、整理収納アドバイザーの長谷川絵里子さんが開発した「ZUG(ツーク)」という角型の財布です。

 「会計の時に、小銭とお札がいくら入っているか一目で分かり、もらったおつりを小銭とお札に分けてさっとしまえるようにしました。小銭を出すのが面倒で、たまってしまうという方に使っていただきたいですね」

 カード用のポケットも内蔵し、種類ごとに縦向きに入れることで使いたいカードを探しやすく、レジでの一連の動作がスマートに見えるよう工夫しました。商品化にあたっては、製作の意図を伝えるため、インターネットで出資を募るクラウドファンディングを活用したところ、「こんな財布が欲しかった」と、予想以上の反響があったとか。

 「革の染色は東京の工場に、製造は大阪の工場に依頼しています。日本のモノづくりの現場を少しでも支えたいと考えています」

 整理整頓しやすいペンケースもリリース。外側のファスナーを開けると、三つのスペースに分かれています。付箋やノリなど物の指定席を作ることで、使いたい文房具をすぐに取り出せ、メークポーチとしても応用できます。

 長谷川さんは、「がま口金を有する小銭入れと筒状のカード入れを内部に備えた財布」「3室以上に仕切ることが可能な袋物の内袋」で特許も取得。「ライセンス契約による販売に興味がある企業の方も、ぜひお問い合わせください」と呼び掛けます。

#chapter2

自衛隊で無駄のない所作を学び、あったらいいなを形にするモノづくりの道へ

 「小学生のとき、発明創意工夫展という夏休みの宿題で、エプロンの前掛けのところにボタンを付けて、タオルを付け外しできるようにしました。家事をしながら手を拭けて、ぬれたら取り換えられて便利だなと思ったんです」

 子どもの頃から、ないものを自分で工夫して作ること好きだったと語る長谷川さん。楽器にも親しんでいたことから、高校卒業後は海上自衛隊東京音楽隊に入り、オーボエ奏者として活躍しました。
 「自衛隊で、無駄のない動きや、手際のいい所作を学んだことが、今の仕事に生きているのかもしれませんね」

 その後一般企業に勤め、販売や秘書業務などに携わる中、大病を患いました。治療で心身ともに疲弊したことから、心機一転したいと2015年に関東地方から北海道に転居。

 「これからは一番やりたかったことをやろう」と決意し、自分が欲しいと思うものを自分で作ることに。最初に手掛けたのはトートバッグです。

 「秘書をしていた時に、役員の書類や荷物も持つ必要があったことから、たくさんの物を整理しながら入れられて、かつ見た目もすっきりとしたカバンを探し回り、オーダーをしたこともありました。それでもしっくりこなかったことを思い出して、理想のバッグを自作してオンラインショップで販売するようになりました」

 その時につけた屋号が「zugvogel-3渡り鳥さん商会」。zugvogelはドイツ語で渡り鳥という意味。引っ越しが多く、渡り鳥みたいな人生だからと、長谷川さんは笑顔で話します。

#chapter3

整理収納を通して、自分にとって必要なものを見極める考え方を伝えたい

 生活の中で感じた、「あったらいいな」というひらめきをもとに商品づくりをしてきた長谷川さん。理論的な裏付けを得たいと、2021年に「整理収納アドバイザー1級」を取得しました。居住している函館市を中心に、整理収納に関するセミナーも開催。テクニックではなく、考え方を伝えたいと力を込めます。

 必要なものと不要なものを分けることが整理収納の第一歩ですが、何となく決めると後悔やリバウンドにつながると指摘。捨てられないのはなぜか、それは愛着なのか執着なのかを考えてみることをすすめています。

 「例えば、何年も持っているぬいぐるみを捨てられない理由について考えたとします。ぬいぐるみ自体を気に入っているなら愛着ですから、大切に持っていていいんです。ですが、プレゼントしてくれたのが、かつての恋人で、その人のことを忘れられないからということなら、それは執着です。これからの自分の人生に不要なものは手放したほうが、すっきりと生きられますよ」

 身の回りが整っていると、思考も整っていくことを実感している長谷川さん。整理収納の理論を学んで、悩むことがなくなったと言います。

 「何か問題が起きても、これは今考える必要があるのかをまず判断するようにしたんです。そうすると、たいていのことは、小さな悩みだと思えるようになりました。今やるべきことだけに集中すればいいのです。自分にとって必要なものは何なのかを見極める方法をアドバイスすることで、悩みを解決するお手伝いもしたいですね」

(取材年月:2023年10月)

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長谷川絵里子

整理収納の理論を通して心の中を整理する方法を伝えるプロ

長谷川絵里子プロ

整理収納アドバイザー

zugvogel-3 渡り鳥さん商会

動作がスマートに見える財布やバッグなどの商品開発を行う整理収納アドバイザー。セミナーでは、物との向き合い方を通して、自分にとって必要なものは何なのかを見極め、心の中も整理できる方法を教えます。

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