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危篤時に遺言書を遺したいときの「危急時遺言」

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テーマ:遺言

入院中だった親の体調が急変し、苦しいなかどうしても遺言を遺したいと希望した場合、どのような方法で対応すればいいのでしょうか。事態は緊急であることが察せられます。

自筆証書遺言や公正証書遺言、秘密証書遺言は「一般方式の遺言」に分類されていますが、危篤のような緊急時には「特別方式の遺言」を利用することができます。ここでは、病気等により危篤状態に陥った遺言者が利用できる「危急時遺言」について説明していきます


危篤時に利用できるのは「一般危急時遺言」

冒頭のケースのように、遺言者が危篤であるなど命の危機にある場合、危急時遺言という特別な方式による遺言を遺すことができます。自筆証書遺言や公正証書遺言などと異なり、後述する危急時遺言は馴染みが薄い遺言形式だといっても差し支えないでしょう。

しかし、危急時遺言の仕組みを理解しておくことにより、家族の万が一に備えた対応が可能になりますので、積極的に理解しておくことをお勧めします。また、現在まさに危急時遺言をすべき状況である場合は、一刻も早く専門家に連絡し適切な対応を進めることが大切です。当行政書士法人の無料相談をぜひご利用ください

一般危急時遺言

通常、自筆証書遺言を作成する場合、遺言者本人による直筆が求められますが、本人が病気などにより命の危機にある場合は「一般危急時遺言」の形式を採ることが認められています。危急時遺言の作成要件については後述しますが、証人が遺言者から遺言内容を聞き取って遺言書を作成するものです。

ただし、本人が危篤状態を脱し、普通の方式による遺言を作成することが可能になったときから6ヶ月間生存するときは、危急時遺言は効力を失います。この場合、あらためて自筆証書遺言や公正証書遺言を作成する必要があります。

難船危急時遺言

船舶の遭難により命の危機に直面しているような場合、証人2人以上が立ち会うことにより口頭で遺言を遺すことができます。これを難船危急時遺言といいます。民法では979条に「船舶遭難者の遺言」として定められています。

ただし、難船危急時遺言を遺したあと、遺言者が命の危機を脱し、普通の方式による遺言を作成することが可能になったときから6ヶ月間生存するときは、難船危急時遺言はその効力を失います。

危急時遺言作成の要件

危急時遺言を作成するときは、次に挙げる要件を満たす必要があります。

3人以上の証人が立ち会うこと

危急時遺言を作成するためには3人以上の証人が立ち会わなければなりません。証人になれない人物は決まっており、以下に挙げるような利害関係者は除外されます。

  • 未成年者
  • 推定相続人および受遺者
  • 配偶者
  • 直系血族
  • 公証人の配偶者
  • 公証人の四親等内の親族
  • 書記 など


証人が遺言内容を書面化すること

遺言者が口頭で遺言内容を伝えたら、証人の1人がこれを書面化します。

書面化した内容の読み聞かせをすること

遺言者および他の証人に対し、書面化した遺言内容を読み聞かせ、正しい内容となっているかを確認してもらいます

証人が署名・押印をすること

遺言者の目前で、すべての証人が書面化した遺言書に署名・押印します。印鑑は実印か認印かを問いません。

家庭裁判所に対し遺言確認の審判を申し立てる

危急時遺言は遺言者の直筆で作成されたものではないため、その遺言書が本当に遺言者の真意を伝える者かどうかを客観的に証明する必要があります。そこで、一般危急時遺言を作成したら、その日から20日以内に家庭裁判所に対し「遺言確認の審判の申し立て」を行うことになります。管轄の家庭裁判所は、遺言者が生存中であればその住所地の家庭裁判所、死亡後であれば相続開始地の家庭裁判所が該当しますので注意しましょう。

家庭裁判所が、遺言内容が遺言者の真意から出たものであるという心証を得た場合、確認の審判を行います。裁判所による確認を受けた遺言書は、遺言者による遺言であるとして認められその効力を発揮します

当行政書士法人は危急時遺言に対応できます

危急時遺言は、遺言の絶対数からいえば非常に数少ないケースに該当しますので、作成のアドバイスを得たい・証人を専門家に依頼したいといった場合、対応できる専門家が限られてしまうのが難点です。

当行政書士法人は危急時遺言の受任経験を有していますので、作成の流れに関する助言や証人の手配などにも対応可能です。

【危急時遺言作成の流れ】

  1. 遺言者が証人に対して遺言内容を口頭で伝える
  2. 証人は聞き取った遺言内容を書き留める
  3. 書き留めた遺言内容について証人は遺言者と他証人に読み聞かせ閲覧させる


証人は3名必要ですが、当社は証人の手配・遺言書の書き取りだけでなく、遺言作成後には家庭裁判所に対して遺言確認手続きまで行います。裁判所関係書類の作成が必要になった場合は、弁護士または司法書士に依頼しますので、安心してお任せいただけるでしょう。

また、前述の通り、危急時遺言を作成した後、遺言の日から20日以内に家庭裁判所において遺言確認の手続きを採る必要があり、以下書類を収集して提出することになります。これら書類の手配についても当社にお任せください。

【遺言確認の申立に際し必要になる書類】

  • 遺言者の戸籍謄本及び住民票(戸籍附票)
  • 申立人の戸籍謄本
  • 証人3名の戸籍謄本(上記申立人と重複する場合は1通で足りる)
  • 遺言書の写し
  • 遺言者生存中の場合は、医師の診断書

※ 各ケースにより、上記以外の書類が必要になることもありますのでご了承ください。


また、実際の相続手続きに備えて、遺言作成後に以下業務を承ることも可能です。

  • 財産目録作成
  • 不動産や預貯金等の財産調査
  • 推定相続人の調査 など


まとめ

危急時遺言という珍しいケースに対応できる専門事務所は非常に少ないと思われます。当社は手続きの流れや実務上の注意点を把握しているだけでなく、必要に応じて各専門家と連携を取りご依頼者様をサポートすることが可能です。無料相談をご用意しておりますので、お困りの際はぜひお気軽にお問い合わせください。

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千田大輔
専門家

千田大輔(行政書士)

行政書士法人ドラゴンオフィス

相続・遺言に特化した行政書士として、関連する専門家とも連携し、手続きをワンストップサポート。札幌近郊で1000件以上の業務実績があり、複雑な事例にも精通しています。おひとりさま向け身元保証サービスも。

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