私が支援しているのは、虐待やネグレクト、貧困などの理由で、家庭で安心して暮らすことができない、義務教育を終えた15歳以上の若者です。自立援助ホームというと、寝る場所と食事を提供する施設だと思われることが多いのですが、私が最も大切にしているのは「普通の経験」を積み重ねてもらう時間です。
私のホームには、片付け方を教わらないまま散らかった部屋で育ち、掃除という概念そのものを持たない子がやってきます。食事はパンやおにぎり一つで済ませるのが当たり前で、家庭でおかずをほとんど食べたことがなく、食卓に野菜炒めを出したときに「これは何」と驚かれたこともありました。誕生日やクリスマスにケーキを囲んだことも、お正月にお年玉をもらったこともない子がほとんどです。
社会性などを養うため、部屋の掃除や料理、お金の使い方、あいさつなどの礼儀作法を一つずつ一緒に学び、海水浴やバーベキュー、誕生日パーティーといった、多くの家庭では当たり前の時間を意識してつくっています。
これは単なる生活訓練ではありません。子どもが自分を価値ある存在として認める自己肯定感を取り戻し、将来幸せな家庭を築いたときに、自分の子どもへ同じことをしてあげられるようになるための土台です。
ホームの名前には、旭川にゆかりの深いアイヌの言葉を用いました。法人名の「イメル」は明るいきらめき、「ラム」は心、「トム」は光、「イコロ」は宝物を意味します。子ども一人ひとりが光であり宝物であるという私の考えを、名前そのものに込めています。
私は、子どもは親の所有物ではなく、一人の人間として尊重されるべき存在だと考えています。まず傷ついた心と体を癒やし、元気になってから「やりたいこと」「挑戦したいこと」を考える。この順番を守ることが、明るい笑顔で未来へ一歩踏み出すための一番の近道だと、現場で確信しています。手を差し伸べる場所があることを、一人でも多くの方に知っていただきたいと願っています。
「普通の経験」から始める生活スキル習得支援
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Mybestpro Members
村岡篤子(児童福祉)
一般社団法人イメル
虐待や困窮などで家庭に安心できる居場所を失った15歳以上の若者を対象に、自立援助ホームを運営。生活習慣や自己肯定感を育み、卒業後も「帰る家」として寄り添い、電話相談にも応じています。
村岡篤子プロは北海道テレビ放送が厳正なる審査をした登録専門家です
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虐待や困窮から子どもの未来を守る自立支援のプロ
