相続登記が義務になる?
相続登記を終えて、不動産が自分の名義になったけれども、「所有権移転請求権仮登記」や「条件付所有権移転仮登記」というものが登記簿に記録されていることがあります。
多くの場合、登記された日付はかなり前で、仮登記名義人の氏名を見ても知らない方なので気にせず、放置している場合があると思います。
制度趣旨からすると、仮登記名義人がそう遠くない将来に本登記をするための仮登記ですが、このように残っている場合は本登記をすることなくずっと放置しているのです。
本登記をしない理由は様々だと思いますが、これを抹消しないと自分の名義になった不動産を有効に活用することが出来ないのです。
まず、売却しようと思った場合、現在の不動産取引ではその仮登記が本登記される可能性が限りなく低くても、仮登記が残っている状態で買い受ける買主はほとんどありません。
次に、不動産担保で融資を受けようとしても同様です。
それでは、仮登記を抹消すれば不動産を活用できるのだろうと、活動し始めるものの、時間がかなりかかる現実に驚くことになります。
一般的に仮登記の抹消登記は不動産所有者と仮登記名義人双方から書類の提出が必要です。ところが、その仮登記名義人がどこの誰だかわからない場合ですから、抹消登記をお願いしようにもどうしたものかとなります。
とりあえず、登記簿に記載されている住所氏名宛にお手紙を出すところから始めるのですが、郵便が届いて相手方から連絡を受けたという事例はごくごくわずかです。
たいていは、郵便が配達されず戻ってきます。
こうなると有効な手段は裁判を起こすことです。仮登記名義人を相手方として、「仮登記抹消登記手続きをせよ」という内容の裁判を起こすのです。
裁判に勝訴すると仮登記名義人の関与なく、つまり、不動産所有者だけで抹消登記を申請することが出来ます。この場合、法務局に添付書類として確定した判決文を添付します。
かかる日数ですが、それは、案件によって様々ですが、依頼を受けてから相手方の住所調査をしたり、郵便で出す文書を作成したりと、訴状を提出するまでに最低でも1ヶ月はかかるでしょう。
訴状を裁判所に提出してから口頭弁論期日までに40日くらい必要な事例が多いようです。弁論は一期日で終わることが多いのですが、その後、判決言い渡し、判決確定にも日数が必要です。ここにも40日くらいかかる事例が多いようです。
その後、法務局に抹消登記を申請しますので、法務局で登記が完了するまでにも2週間位は必要です。
そうすると、依頼を受けてから抹消登記完了まで最低でも4ヶ月はみておくのが良いと思いますし、4ヶ月で終えられたら早く終わった案件と言えるでしょう。平均的な完了までの日数は半年ほどではないかと考えられます。
さて、裁判なんて司法書士が関与できるの?と思われる方が多いと思いますが、簡易裁判所で行う訴訟は認定を受けている司法書士であれば代理人として法廷で活動できます。
費用は案件内容によりますので、一概には言えませんが、司法書士報酬は裁判と登記をあわせて25万円~、(裁判所に納める印紙代などの実費は別)が目安となります。
いずれにしても、登記簿に仮登記が残っている不動産を所有されている方はお早めに司法書士に相談されることをお勧めします。



