住まいと老後資金を両立する 配偶者居住権の賢い活用法
遺されたNISA口座の資産を承継する場合、株価などは日々変動するため、速やかに相続手続きを行う必要があります。
その際、実務上の大きな壁となるのが「金融機関のひも付け」です。亡くなった人の口座から資産を移管するには、相続人自身の口座が必要ですが、原則として「同一の金融機関(証券会社)」に口座を持っていることが条件となります。
たとえば、親がネット証券、子が大手銀行を利用している場合、親の口座の資産を引き継ぐには子がそのネット証券に新規で口座を開設しなければならず、書類のやり取りで数週間から数カ月を要することもあります。
また、生命保険などとは異なり、NISA口座には「受取人の事前指定」という仕組みがありません。そのため、遺言書がない場合には「遺産分割協議」が成立するまで名義変更の手続きをすることができず、NISA口座内の資産は事実上、売却や解約が制限されます。
手続きを待つ間に株価が変動しても、売却できず、不利益をこうむるリスクもあります。こうした事態を回避するためには、あらかじめ「誰がこの口座を引き継ぐか」を家族間で話し合っておくことが重要です。
新NISAを活用する際は、「効率よく増やすこと」だけでなく将来の「遺し方」までセットで考えておく必要があります。迅速な手続きこそが最大の相続対策となりますので、利用している金融機関を家族で共有し、スムーズにバトンタッチができる準備を整えておきましょう。


