相続税対策の養子縁組の有効性についての判例紹介
ゴールデンウィークも残りわずかになりました。この間に、実家に帰って、家族水入らずで、あれこれ積もる話をされた方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。普段、一同に会する機会が減ってきている中、この機会というのは貴重な機会になってきています。
さて、本日相続ということについて、家族で話すことの重要性についてのコラムを書きます。
1 相続のことは家族で話すべし
(1)これから先のことを決めるのは元気なうちにしかできない
よく「私はまだ元気だから、もう少ししてから考えるよ」ということをおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし、「もう少し」とはいつになるのでしょうか。
今、元気な方でも、高齢になればなるほど、認知症等になってしまうなどして、しっかりとした判断を行うことができなくなる危険性が高まってきます。
そして、むしろ今が元気であるからこそ、元気なうちに自らのこと、そして残される方々と、将来のことをしっかりと話しあっておく必要があります。
(2)自らが元気でなくなった後にもめないために
厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性は86.99歳で、過去最高を更新したとのことで、多くの人が長生きできるようになってきてはいますが、それであっても、人には誰しも寿命があります。
〇厚生労働省簡易生命表(平成28年版)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life15/index.html
【コラム】健康寿命と平均寿命
そして、今、元気であるときに、自らのこの後の生活、そして自らが死んだあとのことを、残された家族としっかりと話し合っておくことがきわめて重要です。
そうすることによって、残された方の間で相続をめぐる争い、よく「争族」と言われたりもしますが、これを防ぐことができます。
2 相続に関係してやってはいけないこと
当センターにも色々な相談が来ますが、その中でもやってはいけないこととしてアドバイスをしていることをいくつか挙げてみます。
①遺言を書かない
以前は、「遺言は死を連想させるから縁起でもない」「(遺言を書けということは)私に早く死んでくれということか」などとおっしゃる方もいらっしゃったのですが、最近では、テレビで法律問題が取り上げられることなどもあり、そのようにおっしゃる方は少なくなってきています。
残された人のために、「こうしてあげたい」という思いがある場合には、それを何かしらの形にしておくことは必要です。
遺言がない場合、生きているうちに「実家は妻が生きているうちは妻に使ってもらいたい。その他の財産は長男にやってくれ」という希望を持っていたとしても、それを遺言などの形にしておかないと、その思いがかなえられないことも起こりうるのです。遺言が無い場合の相続については、残された相続人で話合いをして分け方を決めないといけなくなるので、どうしてももめごとになりやすいです。
②遺言を書いたとしても、そのことを誰にも伝えない
遺言があったとしても、その内容を誰にも伝えない場合というのはよくあります。実は、これはもめごとにつながることがあります。
特に自らが手書きで書く「自筆証書遺言」については、書いたあと、誰にも伝えずにしまっていたら、その後も誰も気づかない、ということになりかねないのです。専門家が「公正証書遺言」を勧める理由はここにあります。
(参考コラム)
【コラム】遺言書の書き方
【コラム】公正証書
③〇〇だけに全部財産をあげる、ということだけを書いた遺言
よく「長男だけ(又は長女だけ)に遺言で全財産をあげる」という遺言を書きたいという相談があります。
ただ、そうすると、長男や長女以外の相続人にとってみれば「なんで私には一円もくれないの」という不満を生むことになります。
もし、生前に長男や長女に面倒を見てもらったから全部の財産をあげるんだ、という理由があるなら、そのことは遺言に書いていないと伝わりません(このことが書いてあれば、その他の相続人は「なるほど、そうだったのか」と思うこともありますが、書いていないと「やっぱり長男や長女だけをひいきにして・・・」となります)。
思いがあるなら、しっかりと遺言に書いたり、生前にしっかりと伝えておいたりする必要があります。そうしておけば、いらない「争族」争いを防ぐことができるのです。
3 相続手続サポートセンターでは無料相談をやっています
(1)当センターのコラム
当センターのコラムには色々な内容のコラムを掲載しています。
http://www.souzoku-sc.jp/information.html
当センターでは、判例の変更や法律の改正の動きも随時チェックしながら相談に対応しておりますので、分からないことや気になることがあればお気軽にお尋ねください(相談は無料です)。
(2)無料相談
当センターは、相続についての相談はもちろん新しい資産承継の仕組みである「家族信託」についての相談も積極的に対応しています。分からないことがありましたら遠慮なくお尋ね下さい。
【コラム】家族信託をお考えの方へ