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川口正

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川口正(かわぐちただし) / ITコンシェルジュ

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コラム

新型コロナ対策 Vol.1 子どもたちの学びの機会を止めない①

2020年4月20日 公開 / 2020年12月27日更新

テーマ:新型コロナ対策 テレワーク

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: ITマネジメント

新型コロナウイルス感染対策として臨時休校を要請

 1ヶ月半ほど前になるだろうか、新型コロナウイルス感染症対策本部において「全国すべての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校について、3月2日から春休みまで臨時休業を行うよう要請」との報道があった。それからは自宅学習となり、最上学年の子どもたちは残りの学校生活を卒業式の日まで共に過ごすという学びの機会がなくなった。卒業式当日は短縮・最少人数で簡素化されるなか、節目を記録するために活躍したのが Microsoft Teams のライブ イベント機能だった。

子どもたちの晴れの舞台、映像で保護者に届けたい – 立命館小学校が Microsoft Teams で卒業式をライブ配信

教育現場のICT環境導入計画

2009年度にICT活用推進事業がはじまり「教育の情報化に関する手引」が作成されプロジェクト始動した。
 2010~2013年度 フューチャースクール推進事業として実証実験実施
 2014~2017年度 「学校のICT環境を整備しましょう!」
           - 教育のIT化に向けた環境整備4か年計画
 2018~2022年度 「学校におけるICT環境の整備について」
           - 教育のICT化に向けた環境整備5か年計画
10年かけてICT推進が少しずつ進んでいるが、子どもたちの成長・IT技術革新のスピードに教育環境は追い付いていない。今年から小学校において、プログラミング教育が必修化されるなど、ロジカルな学習が取り入られことになった。しかし、子どもたちのICT環境は 2019年時点でのパソコン配備は 10年前と比較して6.8人に1台から5.4人に1台へと改善したにすぎない。現在、オンライン授業環境を整える「GIGAスクール構想」で、2023年度までに小中学生全員にパソコン配備する計画を緊急経済対策関連予算で計上し、前倒しで2020年度中の完了を目指すとのことだ。

休校中のいま

 新学期を迎えたあと感染者増加によって翌週から大型連休明けの5月6日までと一部地域で再度休校となった。休校の長期化で教員は、児童生徒の健康管理や保護者対応でオンライン授業の準備・習熟に手が回っていない。一方、韓国では休校を決定してすぐに学校はオンライン授業に切り替えた。日本では学校から配布された休校中の課題に取り組む状態だ。一部の通信教育会社や大手塾から期間限定で無償のオンライン教材配信、自治体の教育委員会から オンラインコンテンツが供給されておりインターネット上で学習できる状態になった。
 ある調査によると、小中学生がスマートフォン・タブレット・PCなどインターネットに接続する機器の保有率が小学生 86.3%、中学生 95.1%もいるのだ。それらの機器でオンラインコンテンツ受講の際のインターネット通信費が問題になる。これからは、機器調達のハード面ではなく、コンテンツ利用するためのソフト面の拡充を期待したい。

文部科学省 2019年 学校基本調査によると 小学生から大学・各種専門学校 41,687校 1,683万人 が学んでいる。
国難といわれるこの時期、未来を支える子どもちに学びの機会をなくしてはいけない。そのためには、教育関係者だけでなく通信キャリアなど、子どもたちが学ぶための資源提供をすすめていって欲しい。

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