財務の役割
業務改善助成金は、これまで事業場内の最低賃金と地域別最低
賃金の差が30円以内の中小企業・小規模事業者が対象でした
が、制度が拡充されて賃金の差が50円以内の中小企業・小規
模事業者が対象となります。
また、賃金引上げ計画の事前提出が見直されて、事業場規模が
50人未満の場合は令和5年4月1日から12月31日までに
30円以上の賃金引上げを実施していれば、賃金引上げ計画の
提出は不要となりました。
申請期限は令和6年1月31日ですが、この度の制度拡充によ
り申請が増えて、予算の関係で期限前に募集を終了する場合が
ありそうです。早めにご検討ください。
概要をみておきましょう。
■ 対象事業場【拡充】
以下の中小企業・小規模事業者の事業場が対象となります。
(1)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内
(2)解雇、賃金引き下げ等の事由がないこと
■ 助成率および助成上限額
1.助成率【見直し】
申請する事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金の区分が見
直されて、以下のようになります。
※( )内は生産性要件を満たす場合の助成率です。
・900円未満の場合:9/10
・900円以上950円未満の場合:4/5(9/10)
・950円以上の場合:3/4(4/5)
2.助成上限額【変更なし】
事業場内最低賃金の引き上げ額により30円、45円、60円、
90円のコースがあり、コース毎に賃金を引き上げる労働者数
によって30万円から600万円の上限額となります。
◇60円コースの場合の助成上限額
※( )内は事業場規模が30人未満の場合の金額です。
・賃金引上げ人数が1人の場合:60万円(110万円)
・2人から3人の場合:90万円(160万円)
・4人から6人の場合:150万円(190万円)
・7人以上の場合:230万円
・10人以上の場合:300万円(特例事業者が対象)
※以下のいずれかに該当する事業者が特例事業者となります。
(1)申請事業場の事業場内最低賃金が920円未満の事業者
(2)新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高等の直
近3か月間の月平均値が、前年、前々年又は3年前同期
に比べて15%以上減少している事業者
(3)原材料費の高騰などの外的要因により、申請前3か月間
のうち任意の1月の利益率が、前年同期に比べて3%ポ
イント以上低下している事業者
■ 対象となる設備等【変更なし】
生産性向上に資する機械設備、POSレジシステムの導入等の
他、人材育成・教育訓練費や経営コンサルティング経費が対象
となります。
※上記、特例事業者の要件の(2)、(3)に該当する場合は、
以下の経費も対象となります。
・定員7人以上又は車両本体価格200万円以下の乗用自動車
・貨物自動車
・パソコン、スマートフォン、タブレット等の端末と周辺機器
の新規導入
・生産性向上等に資する設備投資等に関連する経費(広告宣伝
費、事務室等の改築費、事務機器や什器備品の購入費など)
詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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